楽天の法人カード「楽天ビジネスカード」とは?特徴とメリット・デメリットも解説

楽天ビジネスカードは、ネット通販などで有名な楽天の発行するクレジットカードの中で唯一の法人カードです。
ビジネスに特化したサービスや特典が充実した、使いやすい1枚として知られていますが、実際にどんな特徴があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
また、実際に利用するにあたってどんなメリットやデメリットがあるのかを知っておきたい方もいることでしょう。 当記事では、楽天ビジネスカードの特徴をはじめ、メリット・デメリットについて解説します。
最後まで読むことで、楽天ビジネスカードについての知識を得られるのはもちろん、「出張などで海外に行く機会が多い方」「高還元率の法人カードを導入したい方」におすすめのカードであることもわかるはずです。
楽天唯一の法人カード「楽天ビジネスカード」の特徴
最初に楽天ビジネスカードの特徴について解説します。
- 個人向けカード「楽天プレミアムカード」とセット発行が条件
- 法人用と個人用の引き落とし口座は別に設定
- 維持コストは12,000円(税別)
- 付帯する国際ブランドは世界シェアNo.1のVISA一択
上記の4点について、詳しくまとめたのでチェックしていきましょう。
個人向けカード「楽天プレミアムカード」とセット発行が条件
楽天ビジネスカードは単体の申し込みができないカードなので、以下の条件をクリアする必要があります。
- すでに楽天プレミアムカードを持っている
- 楽天プレミアムカードと同時に申し込み
楽天ビジネスカードは個人向けクレジットカードの楽天プレミアムカードとセットで持つことができます。要するに、楽天プレミアムカードを持っていなければ楽天ビジネスカードは手に入らないというわけです。
なお、楽天ビジネスカードと同じタイミングで楽天プレミアムカードを申し込むのはOKとなります。
法人用と個人用の引き落とし口座は別に設定
楽天ビジネスカードで設定する利用代金の引き落とし口座は、楽天プレミアムカードと別に設定しなくてはなりません。
楽天ビジネスカードでは法人口座、楽天プレミアムカードでは個人口座というように使い分ける流れになります。
なお、個人事業主は楽天ビジネスカードで個人口座の設定ができますが、楽天プレミアムカードの引き落とし口座と同じにできません。個人事業主もビジネス用の個人口座を新たに用意するようにしてください。
維持コストは12,000円(税別)
楽天ビジネスカードと楽天プレミアムカードをセットで持つにあたり、それぞれに発生する年会費を支払わないとなりません。
なお、楽天ビジネスカードの年会費は2,000円(税別)、楽天プレミアムカードの年会費は10,000円(税別)となり、合計12,000円(税別)が維持コストとなります。
合計12,000円(税別)の年会費は他の法人カードと比べて割高さを感じるかもしれませんが、カードの付帯サービスや特典内容の充実度は支払う年会費に相応するものばかりです。
次に解説する「楽天ビジネスカードを選ぶ5つのメリット」をチェックしたうえで、実際に支払う価値があるかどうかを改めて判断すると良いでしょう。
付帯する国際ブランドは世界シェアNo.1のVISA一択
楽天ビジネスカードの国際ブランドはVISAのみの付帯となり、他は選ぶことができません。
ただし、楽天プレミアムカードはVISA以外にMasterCardとJCBが選べます。
楽天ビジネスカードにではVISAのみで大丈夫なのか?と心配する方もいるかもしれませんが、実はVISAのシェアは世界1位を誇ります。日本国内はもちろん海外でも加盟店数が多いので、利用できなくて困るなどのことはないと思って良いでしょう。
次に解説するのは楽天ビジネスカードを選ぶ5つのメリットです。どんなメリットがあるのかはカードを使うにあたって重要なポイントなので、しっかりとチェックしておいてください。
楽天ビジネスカードを選ぶ5つのメリット
楽天プレミアムカードのサービスや特典も受けられる楽天ビジネスカードでは、以下の5つのメリットを得ることができます。
- ポイント還元率は1%の高さ
- ビジネスに特化した特典「VISAビジネスオファー」の利用
- 貯めたポイントを個人カードと合算できる
- ETCカードの発行可能上限枚数がない
- 楽天プレミアムカードの付帯サービスを活用できる
メリットを知ることで楽天ビジネスカードをよりお得に利用できるようになりますから、ぜひチェックしておきましょう。
メリット1:ポイント還元率は1%の高さ
楽天ビジネスカードを利用すると、100円につき1ポイント貯まるので還元率は1%となります。
そして、貯めたポイントは楽天市場や楽天ブックスなどの楽天関連のサービスにて1ポイント=1円計算で利用可能です。ビジネスに使うアイテムの購入時にポイントを使えば、経費削減も実現するでしょう。
さらに楽天市場のショッピングでは獲得ポイントが最大5倍になることもあるので、タイミングを狙って利用すればポイントは効率良く貯まるようになります。
なお、ポイントの有効期限は1年間です。ただし、その間に1ポイントでも獲得すれば有効期限は延長されるので、忘れずに利用すれば実質無期限となります。
メリット2:ビジネスに特化した特典「VISAビジネスオファー」の利用
楽天ビジネスカードではさまざまなビジネスシーンで役立つ特典として「Visaビジネスオファー」を利用できます。
国内にあるレストランや提携ホテルが優待価格で利用できたり、そのほかにもビデオ会議の設備がついたレンタル会議室が割引になったりします。
また、オフィス用品のネット通販割引や定額制ウォータースタンドのレンタル料金が1ヶ月間無料になる特典もあるので、業務効率化につなげることはもちろん、経費削減も可能です。
メリット3:貯めたポイントを個人カードと合算できる
楽天ビジネスカードは1%という高いポイント還元率ですが、このポイントを個人カードの楽天プレミアムカードで貯めたポイントと合算できます。
どちらのカードも積極的に利用することで、ポイントはよりスムーズに貯まるようになるはずです。
メリット4:ETCカードの発行可能上限枚数がない
高速道路を利用する際にマストアイテムとなるETCカードですが、楽天ビジネスカードでは発行上限枚数がありません。社用車の台数分に合わせて発行するなど、希望に応じた枚数を申請することが可能です。
法人カードのほとんどでETCカードの発行はできますが「本会員カード1枚につきETCカードは3枚まで」のような上限があります。社用車を複数台持っていればETCカードが足りなくなることも考えられますが、楽天ビジネスカードはそのような心配は不要です。
ただし、最初の1枚目は年会費無料ですが、2枚目以降は1枚につき500円(税別)が発生。発行枚数分だけ年会費を支払わないとなりません。
年会費は経費計上が可能ですし、ETC利用金額に応じたポイントも貯まります。そのため、高速道路の利用機会の多い方であれば、そこまで大きな負担にならないでしょう。
メリット5:楽天プレミアムカードの付帯サービスを活用できる
楽天ビジネスカードでは、楽天プレミアムカードに付帯する充実度の高いサービスや特典も利用できるようになります。
こちらでは、主にどのようなサービスや特典の付帯があるのかを解説していくので、ビジネスの中で活用できるかどうかを判断してください。
世界各国の空港ラウンジが利用できるプライオリティパスの付帯
楽天プレミアムカードではワンランク上の充実したサービスが付帯していて、その中の1つがプライオリティ・パスです。
プライオリティ・パスがあれば世界143か国・500以上の都市にある、1,200か所以上の空港ラウンジを利用可能で、その中でもっともグレードが高いプレステージ会員の資格が付与されます。ラウンジの利用回数に制限もなく、いつでも好きなタイミングでラウンジを利用できるのは大きな魅力と言えるでしょう。
なお、本来支払うべきプライオリティ・パスのプレステージ会員の年会費は399USドルです。これは1USドルを115円換算すると日本円で約45,000円相当になるので、この部分だけで楽天プレミアムカードの年会費を十分にカバーできることになります。
国内主要空港などのラウンジが無料
プライオリティ・パスで利用できる空港ラウンジ以外にも、国内にある主要空港のラウンジも無料で利用できます。
利用できる国内の空港ラウンジは羽田空港に関西国際空港をはじめ全30空港あり、その他にもハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港に韓国の仁川空港も対象です。
充実度の高い保険付帯で万が一のときにも安心
保険の補償内容が充実していることも、カードを導入する際の大きなメリットです。
なお、付帯する保険と補償内容は以下のようになっています。
- 国内・海外旅行傷害保険:国内と海外にて発生した事故をはじめ、ホテルや旅館内での火災事故などに対する傷害死亡・後遺障害保険金が最高5,000万円の補償
- 動産総合保険:楽天プレミアムカードを使って購入した日から90日以内の破損、盗難、火災など損害が生じた場合、最高300万円まで補償(1個1万円以上の商品が対象)
これらはすべて自動付帯となります。楽天プレミアムカードを持っていれば補償対象となるので、年会費以上のお金を支払う必要はありません。
海外滞在時の心強い存在「トラベルデスク」の設置
日本語対応可能のトラベルデスクが用意されていることも、カード導入の魅力でありメリットです。
なお、トラベルデスクはニューヨークやパリなどの世界の主要都市38拠点に設置されています。現地の観光情報の案内をはじめ、レストランの予約手配などをおこなってもらえるので、土地勘がなかったり現地語に自信がなかったりする場合も安心です。
そのほかにもパスポートやクレジットカードの紛失・盗難時、思いがけない病気やケガをしたときのサポート対応もおこなっています。
次に楽天ビジネスカードのデメリットを4つ解説します。
楽天ビジネスカードの4つのデメリット
楽天ビジネスカードのメリットに対し、デメリットになるのが以下の4つです。
- 楽天ビジネスカードのみの発行ができない
- 楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの審査を受ける必要がある
- 利用代金の支払い方法は一括払いのみ ・社員用の追加カードは作成できない
デメリットを知っておけば回避策なども取り入れられるようになるでしょう。
楽天ビジネスカードのみの発行ができない
楽天ビジネスカードは単体の発行ができません。すでに解説したように、楽天ビジネスカードは楽天プレミアムカードとセットで発行するのが条件になっています。
他社の個人用クレジットカードは保有済で法人カードのみを導入したい方ですと、さらにカード枚数を増やすことになるのです。
また、年会費も2枚分の12,000円(税別)を支払わないとならないので、コストをかけずに法人カードを保有したい方にも負担になります。
楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードの審査を受ける必要がある
楽天ビジネスカードの発行条件として、最初に楽天プレミアムカードの入会審査を通過する必要があります。
そして、通過した後に楽天ビジネスカードの審査がおこなわれる流れです。 そこで考えられるのが、楽天プレミアムカードの審査に通過しても楽天ビジネスカードの審査には落ちてしまうパターン。
もしそうなると、楽天ビジネスカードが欲しくて申し込みをしたのに、審査通過したのは楽天プレミアムカードのみという意味を持たない状況になってしまうでしょう。
利用代金の支払い方法は一括払いのみ
楽天ビジネスカードの支払い方法は一括払い一択となり、分割払いやリボ払いなどの機能はありません。
ビジネスをおこなう中でキャッシュフローが厳しいこともあるかもしれませんが、回数をわけて支払うことはできないので高額決済をしたいときは注意しましょう。
ただし、楽天プレミアムカードは一括払い以外に、2回からの分割払いやリボ払いに対応しているので上手に使い分けることが可能です。
社員用の追加カードは作成できない
楽天ビジネスカードは追加カードを発行できません。他社法人カードでは社員用に持たせる追加カードを発行することが多いので、楽天ビジネスカードも同様だと考えていた方は注意してください。
ただし、前述のとおりETCカードは本会員カード1枚あたり複数枚の発行ができますので、保有する社用車ごとにETCカードを発行したい際に重宝します。
最後に、楽天ビジネスカードがおすすめしたいのはどんな方なのかを解説します。
楽天ビジネスカードはこんな方におすすめ
楽天ビジネスカードをおすすめできる方は以下の方です。
- 出張などで海外に行く機会が多い
- 高還元率の法人カードを導入したいと考えている
サービスや特典の付帯が充実したカードなので、これらを活用できる方がおすすめできると言えるでしょう。
出張などで海外に行く機会が多い
トラベルデスクにプライオリティ・パスなど、楽天ビジネスカードには海外で活用機会の多いサービスがそろっています。
持っているだけで安心感を得られたり、出国前や現地で過ごす時間が快適になるでしょう。
高還元率の法人カードを導入したいと考えている
楽天ビジネスカードのポイント還元率は1%となり、他社法人カードと比べて高めの設定です。楽天ビジネスカードをメインカードにして、さまざまな経費の支払いをおこなえばポイントを効率良く貯められるようになるでしょう。
また、貯めたポイントを使えば本来使うはずだった現金の支出もおさえられるので、経費削減の実現が可能です。
まとめ
当記事では、楽天ビジネスカードの特徴にメリット・デメリットなどを中心に解説しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
- 楽天ビジネスカードは個人用の楽天プレミアムカードとセットで発行するのが条件
- 支払う年会費は楽天ビジネスカードと楽天プレミアムカード2枚分の12,000円(税別)
- 基本となるポイント還元率は1%の高さ ・充実度の高いサービスや特典の付帯
楽天ビジネスカードはビジネスシーンでも活用しやすく、かつポイント還元率も高いです。
楽天プレミアムカードとセットで保有しないとなりませんが、付帯するサービスや特典の内容を考えるとコストパフォーマンスも良い1枚になります。
メリットやデメリットを把握し、総合的に判断したうえで申し込みをおこなってください。
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