いまさら聞けない!ETCの購入から使用料金の勘定科目と仕訳について

法人用のクレジットカードを申し込む際、ほとんどの申込用紙にはETCについての内容も記載されています。出張や営業で車を利用している経営者なら、ETCは欠かせないアイテムのひとつでしょう。
また、申し込んだクレジットカードにETCカードも付加されているが、車載器のことや支払いや経理の勘定科目などがわからないため、使用できていないという人も中にはいるでしょう。
そこで今回は、ETCカードを所持しているが利用できていない方でも安心してETCカードが利用できるように、車載器の購入や勘定科目におすすめのETCが付加されたクレジットカードまで、幅広く紹介したいと思います。
読み終えた頃には、すぐにでも車載器を購入しに行きたくなるはずなので、ぜひ最後までご一読ください。
この記事の目次
法人用クレジットカードとETCカード
法人・個人問わずクレジットカードを作成する際、ほとんどの申し込み用紙にETCカードの作成についても記載してあります。
ETCカードは、クレジットカードの作成時に一緒に作成できるのはもちろんですが、カード発行後に改めてETCカードを作成することもできます。出張や営業で、高速の利用が多い経営者なら、1枚は持っていると便利なカードです。
このETCカードですが、細かく分類すると
- クレジット・ETC一体型カード
- クレジット・ETC分離型カード
- クレジット不可のETC専用カード
この3つに分類されます。そこで、次の項では法人用のクレジットカードを中心に、それぞれのETCカードの特徴やなどについて詳しく解説いたします。
クレジット・ETC一体型カード
最初に紹介するのは「クレジット・ETC一体型カード」です。このカードは、クレジットカードとETCカードが1枚のカードにセットされている便利なカードです。
カードが1枚になっていてとても便利ではある分、マイナス面もあります。それは、クレジット機能が一緒になっているため、車載器にカードを差し込んだままでいると、カードが盗難されさらに悪用される可能性があることです。カードの管理には十分に注意が必要です。
クレジット・ETC分離型カード
次に紹介するのは「クレジット・ETC分離型カード」です。このカードは、クレジットカードとETCカードがそれぞれ別になっているカードです。
先に紹介した一体型とは違い、クレジットカードとETCカードが別々になっているので、一体型カードで不安があった盗難や悪用などの心配はありません。機能面としてとても便利だということもあり、現在主流になっています。
クレジット不可のETC専用カード
最後に紹介するのは「クレジット不可のETC専用カード」です。このカードは、クレジットカードの機能がない、ETCカード専用のカードです。このETC専用カードには、
- ETCパーソナルカード
- 高速情報協同組合のETCカード
- ETC協同組合のETCカード
上記の3種類があり、個人で作成できるものもあれば、法人や経営者でしか作成できないカードもあります。また、カード作成時には、出資金やデジポットなどの支払いが必要な場合もあります。
さてここからは、ETCに関する勘定項目や仕訳方法についてご紹介いたします。まずはETC車載器を購入した際や取付工事を行った際の仕訳方法についてです。
ETC車載器を購入・取付工事の勘定科目の仕訳方法
ETCカードの種類については理解していただけたでしょう。それでは次に、実際にカードを使用するために必要な、ETC車載器について解説します。
ETC車載器は車で使用するためカー用品を扱うお店で購入できます。お店にもよりますが、取付工事に関しては、購入したお店やディーラーなどで行うことができます。また、技術を有している方なら、自分で取り付けることも可能です。
法人用として、ETC車載器を購入・取り付けた場合、もちろん経費として支払う必要があります。この場合、勘定科目はどのようになるのか、また仕訳方法はどうなるのか解説しましょう。
ETC車載器を購入したときの勘定科目や仕訳について
ETC車載器は、一般的に10万円以下で販売されています。10万円以上だと資産計上しなければなりませんが、ETC車載器は比較的安価なので、資産計上はしなくても大丈夫です。よって、この場合の勘定科目は「消耗品費」となります。
仕訳としては、貸方は「消耗品費」と記載します。借方は、現金で支払った場合は「現金」と仕訳すればOKですが、クレジットカードで支払った場合は、「未払金」と仕訳し、適用の部分に「消耗品購入××カード(カード名)」と記載しましょう。
また、ETC車載器を一度に数台購入したとしても、1個の価格が10万円以下であれば、勘定科目は消耗品費と仕訳することができます。
ETC車載器を取り付けたときの勘定科目や仕訳について
ETC車載器を取り付けた場合の勘定科目は、「消耗品費」や「車両費」となります。
仕訳は、貸方が「消耗品費」または「車両費」と記載します。そして借方の方は、ETC車載器購入のときと同様に、現金で支払った場合は「現金」と記載します。また、クレジットカードで支払った場合は「未払金」と仕訳し、適用の部分に「ETC設置費用××カード(カード名)」と記載しましょう。
次はETC使用後料金の勘定科目と仕訳方法について紹介します。
ETC使用後料金の勘定科目と仕訳方法
ここまで、ETC車載器の購入と取り付けについての勘定科目と仕訳方法を解説してきました。いよいよ次は、実際にETCカードを使用したときの勘定科目と仕訳方法について解説しましょう。
ただし今回は、法人用のクレジットカードのものを例として解説します。
ETCの料金はいつ引き落とされるか
クレジット不可のETC専用カードではなく、クレジットカードに付加したETCカードを使用した場合、一般的に支払いはクレジットカードの利用明細と一緒に請求されます。よって、高速を利用してすぐに請求されるわけではなく、少し時間が空いてから料金の請求が届き引き落とされることとなります。
仮に、4月1日にETCを利用した場合、クレジットカードの支払が翌月の20日なら、ETCの利用から約50日後に、料金を支払うこととなります。
ETC使用後料金の勘定科目について
ETCを使用し高速道路を利用した場合、支払った料金の勘定科目は「旅費交通費」となります。「旅費交通費」とは、業務を行うため遠く離れた場所へ移動するときのための費用項目です。社員に支払う給与の項目にある「交通費」とは違うので、混同しないよう注意が必要です。
ETC使用後料金の仕訳方法について
次に仕訳方法ですが、まず借方は「旅費交通費」と記載し、借り方の方は「未払金」として記載しましょう。できれば適用として、カード会社名も記載するのがおすすめです。
法人用のクレジットカードのほか、口座から直接料金が引き落とされる場合も同様に「未払金」と記載しましょう。
ここまでETCカードに関係する仕訳方法について紹介いたしました。次はETCカードを実際に運用する際にチェックしたい注意点をお伝えします。
ETCカードを運用する際の注意点
法人用のクレジットカードの多くは、ETCカードを複数枚作成することができます。経営者はもちろんこと社員の営業や出張のために、ETCカードを作成することもあるでしょう。
社員の出張などの際ETCカードを手渡しておけば、現金での立て替えの必要もなくなるためとても便利です。また、クレジット機能が付加されているETCカードを利用した場合、利用した金額に応じてポイントの還元も受けられるのでとてもお得です。
しかし、良いことばかりではありません。社員を信用しETCカードを渡していても、業務用以外でETCカードを使用する可能性もあります。そこでこの項では、ETCカードの使用についての注意点について解説しましょう。
ETCカードの私用は横領罪になる
営業や出張のため、社員にクレジットカードやETCカードを渡すことがあります。業務用の移動のために、ガソリンを給油したり高速道路を使用した場合、領収書など使用したことを証明できるものがあれば、業務だとわかるため問題ありません。
しかし、業務以外でクレジットカードやETCカードを使用した場合、横領罪に問われます。そんなことにならないためにも、
- 運行表などを作成
- 精算方法を決めておく
- 利用後の履歴の確認
上記のような規定やルールを定めておく事がよいでしょう。この3点についてもう少し詳しく解説します。
運行表などを作成
1点目が「運行表などを作成」することです。これは、読んで言葉の通りですが、社用車の運行状況を記した表です。ETCカードとは別になりますが、車の使用状況を記録しておくだけで、どのルートをどれくらい走行したのか把握することができます。この表と、ETCカードの利用状況に相違があれば、悪用を見抜くことができます。
運行表に記載する基本的な項目として、
- 車両ナンバー
- 運行年月日
- 運転者氏名
- 行き先と車両使用目的
- 出庫時間と出庫時の走行距離
- 入庫時間と入庫時の走行距離
- 総合の走行距離
- 備考
上記の項目を設けるのがおすすめです。
精算方法を決めておく
2点目が「精算方法を決めておく」です。これは、出張など業務で遠方へ行った場合、現地までの交通費や宿泊費などの必要経費をどのような形で支払うかということです。
この場合、社員が現金や個人のカードで先に支払いを行ったり、法人用のクレジットカードやETCカードを使用して支払ったりするなど、それぞれ違いがあります。この細かい支払方法を決めておくと、経費の不正利用も未然に防ぐことができるでしょう。
利用後の履歴の確認
3点目が「利用後の履歴の確認」です。ETCカードや法人用のクレジットカードは、使用後利用明細が発行されます。この明細を確認するだけでも、私的な使用も確認すること可能です。
また、明細のほかにETC利用照会サービスというサイトも利用できます。利用時には、カード番号のほか利用年月日やETC車載器の管理番号などを登録する必要がありますが、ETCカードの利用履歴を明確に確認することができるので、とても便利です。ぜひ登録しておくようにしましょう。
最後にETCが発行できるおすすめの法人カードを3枚ご紹介いたします。
ETCが発行できるおすすめの法人カード3選
ここまで、ETCカードの作成から勘定科目や使用時の注意まで、ETCカードの利用について幅広く解説してきました。最後は実際にETCカードを作成するために必要なクレジットカードのうち、おすすめの法人用のクレジットカードを3種類紹介しましょう。
「アメックスビジネスゴールドカード」
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 31,000円(税別) | 0.3~1.0% | メンバーシップリワード |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) | ETC年会費 |
2~3週間程度 | 審査基準による | 500円(税別) |
- 法人格のある法人代表者向けゴールドカード
- 最高1億円の旅行傷害保険が自動付帯!
- 豊富なプロテクションサービス
- 貯まりやすく使いやすいポイントプログラム
- ビジネス・カード会員様向けイベント
- 今がチャンス!お得な入会特典
- 新規入会後にカード利用で30,000ptプレゼント!
最初に紹介するのは「アメックスビジネスゴールドカード」です。このカードは、空港内でラウンジが利用できるサービスやクレジットカード保険など経営者には嬉しいサービスが満載です。もちろんカード利用時には、ポイントも還元されとてもお得です。
また、ETCカードは最大5枚まで発行することができるので、社員を多数抱える経営者にはピッタリの1枚です。このほかに、ETCカードでは、事前登録が必要になりますが「ETCマイレージサービス」も行っています。利用料金に応じてポイントの還元を受けることができ、無料通行分と交換できるお得なサービスも利用可能です。
「楽天ビジネスカード」
次に紹介するのは「楽天ビジネスカード」です。このカードは、何といってもポイントの還元率が自慢のカードです。クレジットカードの利用に応じ、1.0%という高い還元率です。
楽天ビジネスカードでは、入会時に最大9枚までETCカードを作成することができます。ETCカードを多数作成できますが、2枚目以降は年会費が540円必要になります。ただし、ETCカードでも100円で1ポイント還元されます。貯まったポイントをうまく利用すれば、他社と比較にならないほどお得です。
「オリコ EX Gold for Biz」
最後に紹介するのは「オリコ EX Gold for Biz」です。このカードでは、旅行傷害保険や盗難補償などの各種保険や空港のラウンジが利用できるなど、経営者には嬉しいサービスが満載です。
また、ETCカードではETCマイレージサービスとして、利用料金に応じたポイントの還元も受けられるので、とてもおすすめです。
まとめ
出張や営業などで遠方へ出かける経営者にとって、法人用のクレジットカードと一緒にETCカードも作成しておく方が良いでしょう。ETCカードは、複数枚作成することができるので、経営者のみならず出張に向かう社員用としても利用できるのでとても便利です。
また、ETCカードを使用した場合の勘定科目や仕訳は、支払方法によって違ってきます。これらをしっかり留意し、経営者のみならず社員も一緒にETCカードを安全に利用するようにしましょう。
【特徴ごとに徹底比較】利用スタイル別におすすめの法人カードまとめ!
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