クレジットカードの1種である法人カードの主要サービスとなっているポイントを徹底比較

クレジットカードのポイントは、法人カードでも重要なサービスのひとつとなっています。年会費や利用可能枠、付帯保険の比較と同様に、ポイントプログラムの比較も法人カード選びでは重要です。
主に注意すべきはポイントは以下2点です。
- 付与される金額の単位と集計タイミング
- ポイント還元率
ただし、還元率は幅をもっているカードが少なくないため、どこに照準を定めるかが問題です。
お得に貯まる、お得に使えるポイントプログラムであっても、その条件を満たせる機会が少なければ、他のカードの方がお得になる可能性もあります。
自分にとってお得なポイントプログラムを選ぶためには、比較する項目を考えることが大切です。
今回はクレジットカードを利用することで得られるポイントについて、おすすめのクレジットカードを3枚取り上げながらお伝えいたします。
ぜひ本記事を読んで、よりお得なポイントプログラムをもつ法人カードについて知り、自分に合ったカードを見つけみてください。
この記事の目次
クレジットカードにとってポイントプログラムは不可欠な存在
ほとんどのクレジットカードにはポイントプログラムがついていると考えて間違いがないほど、ポイントプログラムはクレジットカードにとって不可欠な存在となっています。これは個人カードだけでなく、法人カードにもいえることです。
法人カードでもポイントが貯まる
法人カードは事業用のカードであり、個人カードのようなポイントプログラムとは無縁の存在といえなくもありません。
しかし、現実にはポイントプログラムを採用する法人カードが主流となっています。
一切の還元がないカードやポイントの代わりにキャッシュバックするカードを集めても、ポイントプログラムのある法人カードの前では少数派といえる状況です。
法人カードを選ぶ法人代表者や個人事業主にとって、どのカードがお得にポイントを貯められるか、ポイントをお得に使えるかの比較が重要な要素のひとつとなっています。
そのため、カード会社としてもポイントサービスを強化する動機が強くなるのは自然な流れです。
ショッピングポイントの貯め方もいろいろ
経費決済によるショッピングポイントを貯めるのが、法人カードのポイントの貯め方としては王道といえるでしょう。
法人カードでショッピングポイントを貯められるシーンについて以下にまとめました。
- 事務用品や什器備品の購入
- 出張旅費の支払
- 高速を営業車で走った際のETC利用代金の決済
- 3時の休憩や取引先への手土産としてお茶菓子を購入するとき など
法人カードでショッピングポイントを貯められるシーンは上記以外にも数多く存在します。
公共料金の支払いでもポイントゲット
クレジットカードの浸透とともに、ショッピング以外にも用途が広がっています。
キャッシュレス社会を目指している中で、公共料金の支払いにも法人カードを活用可能です。
法人カード決済の対象について以下にまとめました。
- 電気代やガス代、水道料金といった定番の公共料金
- 電話などの通信料
- インターネットプロバイダの利用料金
- 新聞代 など
毎月ある程度の金額が発生するだけに、公共料金を法人カードで決済するとポイントも大きく貯まっていくでしょう。
そもそも、法人カードは経費管理を効率よくするためのものでもあり、使う以上は経費に分類される支出を法人カードに一元化すべきです。その結果、ポイントの貯まりも進みます。
法人カードでポイントが付与される仕組み
法人カードのポイントプログラムにもいろいろなタイプが存在しています。ポイント付与の仕組みもポイントプログラムによって異なるのが通例です。
100円あたりか1,000円あたりかは重要な問題
クレジットカードのポイントを付与する金額の設定は、ポイントの貯まり具合を左右する大きな条件といえます。
利用金額100円あたり1ポイントとして付与するプログラムと、1,000円あたり10ポイントで付与するプログラムを比較した場合、最終的に貯まるポイント数に差が生じる可能性が大です。
なぜなら、前者は利用金額100円でもポイントが付与されるのに対し、後者は利用金額999円までは0ポイントだからです。前者で999円分の利用をすれば、9ポイント貯まります。
また、利用金額に消費税を含むか含まないかでもポイントの貯まりが変わります。
利用代金集計のタイミングによってもポイント数は変わる
ポイント付与の単位とともに重要な要素として、ポイントを付与する利用代金の集計タイミングがあります。
1回の利用ごとに集計して付与する場合、毎回切り捨てられる金額を集めると大きなものとなってしまう点に注意しましょう。
たとえば、1,000円あたり10ポイントを付与するプログラムで毎回1,500円分の利用をした場合、1回ごとの集計では500円分が切り捨てられて10ポイントの付与となります。仮に月間3回利用すれば30ポイント貯まる一方で、1,500円分が切り捨てられます。
しかし、1ヶ月ごとに集計して付与するプログラムであれば、合計4,500円に対して40ポイントが付与され、切り捨てられるのは500円分にとどまる計算です。
次の章では、法人カードの中でも人気の高いアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのポイントについて解説します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのポイント
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのポイントは、別途有料プログラムへの登録でお得度が大幅アップするため要チェックです。
ポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの利用金額100円につき1ポイントの割合で、ポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」のポイントが貯まります。ただし、ポイント付与率が異なる加盟店もあります。
メンバーシップ・リワードでは、ポイントの付与は利用1件ごとです。端数切捨ての機会が多くなる可能性があることから、できるだけまとめて利用することでポイントを多く獲得できます。
また、その都度ポイントが加算されるため、付与されたポイントは早く使えます。
ポイントの貯め方
基本的にはショッピングやサービス利用代金、公共料金の決済などでポイントを貯めます。
また、対象店舗での利用やご紹介プログラムの利用で貯まるボーナスポイントや、ぐるなびのネット予約でもらえるポイントも見逃せません。
ポイント有効期間
ポイントはある程度まとまった数になるまで貯めておけば、活用先の選択肢も増えて便利です。ただし、ポイントには有効期間があり、最大3年間の有効期間を経過する前に交換しなければ失効します。
とはいえ、1度交換することで無期限に変わるため、まずは1回早めに交換するとよいでしょう。
有料プログラム「メンバーシップ・リワード・プラス」
また、ポイント生活を加速させる「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すれば、それだけで無期限となります。
メンバーシップ・リワード・プラスは年間3,000円(税別)で、ポイントをお得に貯めてお得に使うことができるプログラムです。
ポイントが無期限になる以外にも、ボーナスポイントプログラムに無料登録できます。
また、マイルへの移行レートがアップするなどの特典もあるので、お得度が年間登録料を上回るユーザーにおすすめです。
貯まったポイントの活用先
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードで貯まったポイントは、ニーズに応じていろいろと活用できます。ポイント還元率は活用内容によって異なります。
交換アイテム
メンバーシップ・リワードでは、各種商品や生活を豊かにするアイテムなど500以上の交換アイテムを用意しています。
また、百貨店の商品券やAmazonギフト券などにも交換可能です。変わったところでは、オリジナルイベントへの参加も選べます。
さらに、カードの利用代金に充当することも可能です。充当レートは1ポイント0.3円です。メンバーシップ・リワード・プラスに登録していれば、1ポイント0.5~1円にアップします。
マイルへの移行
メンバーシップ・リワードでは貯まったポイントをANAのマイルに移行できます。移行レートは2,000ポイントで1,000マイルです。
こちらもメンバーシップ・リワード・プラスに登録していれば、1,000ポイントが1,000マイルへと倍増します。
ANAマイルへの移行には、メンバーシップ・リワード ANAコースに年間5,000円(税別)の参加費を払って登録する必要があります。一般にいう移行手数料に相当するものです。
その他の提携航空会社では、メンバーシップ・リワード・プラスの登録がなければ2,000ポイント1,000マイル、登録があれば1,250ポイント1,000マイルのレートで移行できます。
カードの特徴
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードはアメックスではゴールドランクのカードながら、他社との比較ではプラチナ並みのスペックを持つカードとして人気です。付帯サービスも充実しています。
年会費 | 31,000円(税別) |
---|---|
追加カード年会費 | 12,000円(税別) |
利用可能枠 | 一律の設定はなくユーザーの状況に応じ柔軟に設定 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 |
海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、手荷物無料宅配、オーバーシーズ・アシスト、ビジネス情報サービス、ゴルフ・デスク、JR東海エクスプレス予約、福利厚生プログラムクラブオフ、ゴールド・ワインクラブ、リターン・プロテクション、キャンセル・プロテクション、クラウド会計ソフトfreeeデータ連携 |
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 31,000円(税別) | 0.3~1.0% | メンバーシップリワード |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) | ETC年会費 |
2~3週間程度 | 審査基準による | 500円(税別) |
- 法人格のある法人代表者向けゴールドカード
- 最高1億円の旅行傷害保険が自動付帯!
- 豊富なプロテクションサービス
- 貯まりやすく使いやすいポイントプログラム
- ビジネス・カード会員様向けイベント
- 今がチャンス!お得な入会特典
- 新規入会後にカード利用で30,000ptプレゼント!
次の章では、スタートアップでも持ちやすい三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersのポイントについて解説します。
三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersのポイント
三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersでは、ポイントプログラム「ワールドプレゼント」のポイントが貯まります。
ポイントプログラム「ワールドプレゼント」
ワールドプレゼントは、三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersの利用金額1,000円あたり1ポイントが付与されるサービスです。
月間の利用金額を合計してポイント計算を行うため、月間に切捨てられるのは最大で999円となります。
また、一部にポイント対象とならない加盟店があります。
ポイントの貯め方
ワールドプレゼントの基本的なポイントの貯め方は、オーソドックスにショッピング利用を重ねることです。
その結果、前年の利用金額に応じてステージ判定がなされ、当年の利用金額と決定されたステージに応じたボーナスポイントが貯まります。
利用金額にもよりますが、通常のショッピングで貯まるポイントと合わせて大きく貯められるでしょう。
ポイントのお得な貯め方として、たとえば3大コンビニチェーンの利用や登録した対象店舗3つの積極的利用があります。
前者はポイントが5倍に、後者は2倍にアップしてお得です。さらに、ポイントアップモールでのネットショッピングなら2~20倍にアップします。
ワールドプレゼントのポイントには有効期間があります。三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersで貯めたポイントの有効期間は3年間です。
貯まったポイントの活用先
ワールドプレゼントで貯まったポイントの活用先として、アイテムへの交換やマイルへの移行などがあります。
交換アイテム
三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersで貯めたワールドプレゼントのポイントは、数多くのアイテムと交換可能です。
還元率は一定ではありません。たとえば、「バカラ まねき猫 クリア」6,000ポイントや「ダイソン hot+cool ファンヒーター」11,800ポイントなどがあります。
少ないポイント数で交換するなら、京セラの「セラミック斜めピーラー」などは200ポイントです。
また、ギフト券への交換ではVJAギフトカード10,000円分が2,100ポイント、5,000円分が1,100ポイントなどとなっています。
さらに、1対1のレートでWORLD PRESENT MALLポイントに移行すれば、500以上のアイテムと交換可能です。
マイルへの移行
ワールドプレゼントのポイントはマイルへの移行も可能です。
移行レートは1ポイントがANAの3マイルとなっており、移行は100ポイント以上から100ポイント単位となっています。
カードの特徴
三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersは、インターネット入会で初年度の年会費が無料になる法人カードです。
また、翌年度以降も優待条件があります。
申し込みに登記簿謄本や決算書が不要なため、起業したばかりのユーザーでも持ちやすいカードといわれています。
国際ブランドはVisaとMastercardの2種類です。
年会費 | 10,000円(税別) |
---|---|
追加カード年会費 | 2,000円(税別) |
利用可能枠 | 50万~300万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 |
海外 5,000万円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、レンタカー、引越し、福利厚生ベネフィット・ステーション、Visaビジネスオファー、Visaビジネスグルメオファー |
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 本会員 税抜10,000円+税 | 0.3%~0.5% | ワールドプレゼント |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) | ETC年会費 |
50万~300万円 | 税別500円+税 |
- ご本人の確認資料のみで手続きカンタン!
- 会社設立間もないお客様でも申し込み可能!
- VISAのゴールドカード向け優待付き
- 最高5000万円の国内・海外旅行保険付帯
- 全国28の空港でラウンジが利用できる
- 今がチャンス!お得な入会特典
- オンライン限定!最大12,000円のVJAギフトカードプレゼント!
最後の章では、唯一の日本発祥国際ブランドとして人気の高いJCBゴールド法人カードのポイントについて解説します。
JCBゴールド法人カード
JCBゴールド法人カードは、日本が生んだブランドJCBのプロパーカードです。ポイントプログラムはJCBの「Oki Doki」を使っています。
ポイントプログラム「Oki Doki」
JCBのポイントプログラムOki Dokiでは、毎月の利用金額1,000円につき1ポイントが貯まります。
ポイントの有効期間は、JCBゴールド法人カードの場合3年間です。インターネットでの利用で最大20倍にまでポイントアップします。
さらに、利用状況により翌年最大70%のポイントアップも可能です。
ポイントの貯め方
JCBゴールド法人カードは、「JCBオリジナルシリーズ」と呼ばれる種類のクレジットカードです。
JCBオリジナルシリーズ優待店舗「JCBオリジナルシリーズパートナー」での利用ならポイントがお得に貯まります。
たとえば、Amazonやセブンイレブン、小田急百貨店では3倍に、ニッポンレンタカーや出光昭和シェル、ドミノ・ピザなら2倍です。
貯まったポイントの活用先
JCBゴールド法人カードで貯まったOki Dokiポイントは、各種アイテムへの交換やマイルへの移行など、必要に応じて活用できます。
交換アイテム
交換できるアイテムはさまざまで、ポイント還元率はアイテムによって異なります。
たとえば、JCBギフトカード5,000円分は1,050ポイント必要です。
サントリーのザ・プレミアム・モルツ24缶セットなら1,500ポイントで交換できます。
マイルへの移行
JALのマイルへ移行する場合、1ポイント3マイルのレートです。500ポイント以上1ポイント単位で移行できます。
JMB移行登録の必要がありますが、料金はかかりません。ANAのマイルへも同レート、同単位で移行可能で、移行手数料は無料です。
カードの特徴
JCBゴールド法人カードは基本スペックが三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersに近く、異なる国際ブランドの法人カードとしてライバル関係にあるといってもよいでしょう。
インターネット入会で年会費が初年度無料になります。
年会費 | 10,000円(税別) |
---|---|
追加カード年会費 | 3,000円(税別) |
利用可能枠 | 50万~250万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・後遺障害 |
海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、JAL ONLINE、ANA@desk、JR東海エクスプレス予約サービス(プラスEX会員)、JCBゴールドグルメ優待、ゴルフエントリーサービス |
まとめ
法人代表者や個人事業主が使用する法人向けクレジットカードのポイントプログラムは、日々進化しているといえます。
主要な法人カード3枚のポイントについて比較しても、それぞれに長所があって優劣をつけるのが難しいところです。
ポイントアップ条件を満たす可能性が高いなら、そのカードを選ぶことでお得に使えます。また、重要なポイント還元率については各カードとも一律ではないため、どれが有利かはユーザーのニーズ次第です。
カードの基本スペックや付帯サービスも含めて、トータルで選択するのもよいでしょう。
【特徴ごとに徹底比較】利用スタイル別におすすめの法人カードまとめ!
各カード会社からさまざまな法人カードが発行されていますが、それぞれに異なる強みがあるので、どれを選べばよいのか頭を悩ませている経営者や個人事業主も多いのではないでしょうか。カード会社の商品紹介を見比べても「このカードはこの要素に秀でている」という情報はなかなか気が付かないものです。この記事では主な特徴別におすすめのカードを紹介していきます。ステータスの高いカードを持ちたい、限度額が多いほうがいい、年会費のコストを削減したいなど、それぞれの経営者によって重視する部分は異なると思います。この記事では特徴別におすすめをご紹介するので、きっとあなたの目的に合ったカードが見つかるはずです。ぜひお役立てください。