法人カードのポイントは誰のもの?正しいポイント利用の基礎知識を徹底解説

法人カードのポイントを経理で確認する男女

最近は法人カードにもポイントを付与するカード発行会社が増えてきました。ポイントは次回のカード利用時に代金へ充当できたり、景品交換できたりして便利なサービスですが、法人カードに付与されるものとなると扱いに苦慮する会社も多いと思います。

また、カード利用で自動的に付与されるポイントにはオマケのようなイメージもあり、金品と違って勝手に使っても問題がないと認識している経営者や社員もいるのではないでしょうか。制度的にポイントの定義がどうなっているか理解していないと大きな問題に発展する可能性もあるので注意が必要です。

ポイントの扱いがわからないので使わずに放置し、利用期限切れで失効してしまうのももったいない話です。この記事を読んで、法人カードのポイントは誰のもので、どう扱えばいいのかをはっきりさせ、有効利用できるようにしましょう。

法人カードのポイントは会社の資産

法人カードのポイントが会社の資産であることを認識している方は少ないのではないでしょうか。国税庁の研修機関である税務大学校のレポートでは、

ポイントプログラム契約により消費者が得る債権とは、法的には、(受贈者による意思表示という停止条件が成就するまでは、贈与者により行使可能な約定解除権等を付与した)停止条件付き贈与契約による債権であると評価できる。という見解が示されています。

※引用元URL:https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/78/04/index.htm

これは簡単に言うと、ポイントの付与は贈与契約にあたるということです。商品の購入先から法人カード所有者である法人に贈られたものなので、ポイントは会社の資産になるわけです。

目に見える金品と違ってポイントを適当に考えてしまう人も多いのではないかと思いますが、社員が勝手に使用してよいものでないことをしっかり覚えておきましょう。

レアなケースになりますが、会社によってはポイントを使用できる人を具体的に規定しているところもあるようです。総務や経理などはそのような情報を把握していることもあるので、法人カードで経費支払をする際にポイント利用したい場合は確認してみるとよいでしょう。

勝手に使ってしまうと業務上横領に問われる

法人カードを個人の目的で勝手に使う人はいません。そのような行為は業務上横領になると誰でも知っているからです。ではポイントはどうでしょうか。カードで支払いをすると自動的に付与されるポイントはオマケのようなもので、勝手に使ってしまっても問題ないだろうと考えている人は多いかもしれません。

しかし先述したようにポイントは購入先からカード所有者へ贈られる贈与物と見なされます。法人カードの所有者はもちろん会社です。つまりポイントは会社の所有物ということになるので、社員が勝手にポイントを使うことは業務上横領に問われてしまいます。

もっとも常識的な考えを持つ人ならばあらためて言われなくてもわかっているでしょう。 会社によってはポイントの扱いについて厳しく規定していないところもあり、よほど悪質な私的流用でもないかぎりポイント利用については多目に見てくれるところもあるかもしれません。

しかし社内で信用を失ってしまうことは確実です。厳しい会社では解雇されて当然の行為なので、私用目的で法人カードのポイントは使わないようにしましょう。

社長や役員であってもポイントは勝手に使えない

社長は法人の代表者でもあるので、「ポイント程度なら自由に使ってしまっても文句は言われないだろう」と私物の買い物に使ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、社長や役員の立場であっても法人カードのポイントを勝手に使うことはできないことを覚えておきましょう。 税制的な視点で見ると、社長や役員が個人使途でポイントを使うと課税対象になってしまいます。

これは定期同額給与以外の役員報酬として扱われてしまうためで、経費として算入できないからなのです。 厳密にいうと、まだ税制上でもポイントに関する扱いはハッキリと取り決められているわけではないので、今のところは神経質になる必要もありません。

ただキャッシュレス社会を政府が推進しはじめたこともあり、今後はポイントについて法整備される可能性もあります。そうなってもすぐに対応できるように、今からポイントの経理処理についてしっかり考えておくことをおすすめします。

次はポイントと個人事業主の関係について見ていきましょう。

個人事業主はポイントが誰のものか気にする必要はない

個人事業主は法人カードも個人名義になるため。社長や役員の場合とは異なりポイントを自由に使うことができます。

ただし法人の会計処理と同様に、カードの利用で貯まるポイントは雑収入として扱われるため、所得税の対象に。このことについても個人事業主には申告不要のルールがあるので、以下で解説します。

年間20万円分以下のポイント獲得なら所得とする必要もなし

ポイントは会計処理上雑収入として扱われるので、所得税の対象になる点に気をつけなければなりません。

ただし雑収入については年間で20万円以下になっていれば所得税の申告が必要ない点にも注目しましょう。つまり、年間で貯まるポイント数と他の雑収入を合わせて20万円以下になっていれば、その分について所得税の申告は必要ないのです。

現在発行されているカードは、どんなに高還元であっても購入額の1%前後でポイント付与されます。年間で20万円相当のポイント数は、2,000万円分の買い物をしなければ貯まりません。カードに設定される利用限度額を考えたら現実的ではない数字であることがわかります。そのため個人事業主はポイントについて気にすることなく利用できるといえるのです。

ところで会社所属・個人事業主に関わらず、状況によってはやむなく個人カードで経費を立て替えることもあるでしょう。その場合のポイントはどう扱えばよいのかも気になると思いますので、次のセクションで触れてみます。

個人カードで経費を立て替えたときのポイントは誰のものか

経費を立て替えるために個人の財布から代金を支払うケースはよくあることです。このとき立て替えたお金は会社に申告して精算してもらうのが一般的であり、みなさんもこれまで経験されていることでしょう。

現金であればそれで問題ありませんが、個人のクレジットカードで立て替えた場合はその個人カードにポイントが付与されてしまいます。そのポイントは誰のものになるのでしょうか。

税務上の観点では、個人カードで立て替えた経費に付与されるポイントは誰のものか断言できない状況にあります。個人カードで経費を立て替えてポイントを貯めたとしても違法行為だとはいえないのです。

厳しい会社では個人カードでの経費支払いを禁止しているところもありますが、現実的にはそういった行為のチェックは難しく、建前でしかありません。常識的な範囲で個人カードを使えば黙認してもらえると思いますが、度をすぎると社内問題に発展するリスクが伴うことだけは認識しておきましょう。

次は会計処理上、法人カードにたまったポイントはどのように扱えばよいか説明します。

会計処理での法人カードポイントの扱い方

税務上でポイントは資産になるものの、その扱いについてはとくに定まっていません。多少乱暴な考え方ではありますが、買い物のオマケで貰えるようなものです。収入のように金品を直接得るわけではないので、ポイントの獲得や利用については黙っていればわからないという見方もできます。

しかし政府によるキャッシュレス経済の推進で、今後はポイントの扱いについて規定が定められる可能性もあります。そのときになってから慌てないためにも、ポイントの出納についても会計処理に組み込んでしまうとよいでしょう。

ポイントは雑収入として扱ってしまえば会計処理も楽です。ここではポイントを雑収入とした場合の仕訳方法について見ていきましょう。

法人カードのポイントは雑収入として扱う

会計処理ではポイントを雑収入として扱ってしまえば仕分けが楽になります。ポイントを雑収入にしてしまえば、ポイントを備品購入に利用したときでも経費に計上できるのでわかりやすく仕分けられるからです。

備品購入の代金にポイントを充当する場合、「ポイントを全て商品代金に充てる」ケースと「商品代金からポイント分を値引く」ケースの2種類に分かれます。それぞれのケースで仕訳方が異なるので、下記の例を参考にしてみてください。

・10,000円の商品を購入して全額をポイントで充当するケース
このケースは仕訳方が単純です。商品代金は借方として「消耗品費10,000円」と記入します。貸方にはポイントを「雑収入10,000円」として記入します。これだけで仕訳は終わりです。
・10,000円の商品を購入して2,000円分をポイントで充当するケース
全額充当のケースと同じように借方には「消耗品費10,000円」を記入します。貸方には現金で支払った分を「現金8,000円」と記入し、ポイント充当した分を「雑収入2,000円」というように記入します。

もし商品をクレジットカードや後払いで購入したのなら、現金と記入する部分を未払金にしなくてはなりません。この辺については通常の仕訳ルールと同じように処理しましょう。

会計処理上のルールの把握だけではなく、ポイントにおける社内ルールも定義しておくとよいでしょう。次はそのあたりに触れていきます。

誰のものか明確にする社内ルールづくりのすすめ

カードのポイントは会社資産なので、誰がどのような使途に利用できるかを社内ルールで定めておくことをおすすめします。無断利用を禁止し、ポイントを使用する際は届けを出すようにする制度を作るとよいでしょう。

また、使ったポイントについては領収書と同じように「何ポイントを何に使ったか」申告させると効果的です。

社内ルール制定のほか、経理部門でもポイントを金銭のように管理するといいでしょう。法人カードでは、多くの発行会社が毎月の利用明細レポートを提供するサービスを提供しています。レポートではポイントの利用状況も報告されるので、社員がポイントを不正利用していないかチェック可能です。

最後に会社における法人カードのポイントについて総括します。

会社全体のメリットを考えたポイント利用をする

会社資産であるポイントは、会社全体の利益になるように運用することが公平性の観点からもおすすめです。例えば備品の購入や福利厚生の費用に充当するようにすれば経費の削減に繋がるだけでなく、社員全員に同じようにポイントを還元することになります。

また、ポイントだけで備品を購入する場合は稟議の必要がないなど、社内手続きのルールを簡素化してみてもいいでしょう。

最後はポイントを積極的に利用したい方向けに、ポイントを活用しやすい法人カードを3枚ご紹介します。

誰のものか理解できたらポイントを積極的に活用しよう

ここまでお読みになって、法人カードのポイントが会社資産であることや、どのように扱えばいいかをご理解いただけたと思います。

個人カードよりも利用額が大きくなる法人カードはポイントが大量に貯まりやすく、ビジネスに有効利用しやすいメリットがあります。ぜひ積極的に活用するようにしてみてください。

ポイントを活用しやすい法人カードのおすすめ3選

ポイントが貯まる法人カードの中から、とくにポイントを活用しやすい3枚をご紹介します。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

法人カードを検討するなら、ステータス性充分で使い勝手のよいアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードがおすすめです。税別31,000円という年会費はやや高額に感じられると思いますが、価格に見合うだけの高いスペックと充実した付帯サービスが提供されます。

アメックスのポイントプログラムでは100円を利用するごとに1ポイントが付与されます。クーポン交換では5,000円クーポンが10,000ポイントなのでやや還元率が弱いものの、マイレージならお得に交換できる強みがあります。

航空会社14社と提携しており、マイレージへのポイント交換を等価で行うことができます。航空機を使う出張の多い法人にとっては魅力的ではないでしょうか。設立間もない法人でも申し込める敷居の低さも評判です。スタートアップ企業の経営者はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

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国際ブランド

アメリカン・エキスプレス

対応電子マネー

QUICPay(クイックペイ)
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETC
年会費 ポイント還元率 ポイント名
初年度 2年目~
無料 31,000円(税別) 0.3~1.0% メンバーシップリワード
発行スピード 限度額 マイレージ
還元率(最大)
ETC年会費
2~3週間程度 審査基準による 500円(税別)
今がチャンス!お得な入会特典
新規入会後にカード利用で30,000ptプレゼント!

オリコ EX Gold for Biz

オリコ EX Gold for Bizは代表者の本人確認書類だけで申し込めるゴールド法人カードです。スタートアップ企業でも気軽に申し込むことができるので、ぜひ検討してみてください。

年会費は税別2,000円とゴールドクラスではリーズナブルな価格設定が特徴です。発行初年度は年会費無料なのも設立間もない法人にとっては大きな魅力でしょう。

オリコカードのポイントプログラム「暮らスマイル」では、通常のところ1,000円利用するごとに1ポイントが付与されるルールですが、EX Gold for Bizカードでは20%分がさらに加算されます。

オリコカードのポイントは他社ポイントとの交換が充実しており、高い変換レートに強みがあります。

一例を挙げると、楽天スーパーポイントやドコモポイントならオリコの400ポイントは2,000ポイントに交換できます。ギフト券への交換なら1,000ポイントを5,000円分の金券に換えることができます。

ポイントサービス以外にも、ビジネス向けの優待が受けられる「Visaビジネスオファー」、空港ラウンジサービスなどの付帯サービスが充実しており、コストパフォーマンスの高いカードとなっています。

オリコ EX Gold for Biz

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国際ブランド

VISA MasterCard

対応電子マネー

  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETC
年会費 ポイント還元率 ポイント名
初年度 2年目~
無料 2,000円(税抜) 0.6%~1.2% 暮らスマイル
発行スピード 限度額 マイレージ
還元率(最大)
ETC年会費
公式サイト参照 10万円~300万円 無料

楽天ビジネスカード

楽天ビジネスカードは個人向けの楽天プレミアムカードに追加する形で発行される法人カードです。楽天プレミアムカードを持っていない場合は同時に申し込むことができるので心配はいりません。

100円ごとに1ポイント付与という還元率の高さが人気で、楽天が提供している各種サービスとの併用でポイントがみるみる貯まります。

楽天プレミアムカードのほうは個人向けのカードとなっており、サブカードとなる楽天ビジネスカードのポイントは楽天プレミアムカードへ一元化されます。個人使途でポイントを自由に使える個人事業主にとっては、審査の敷居が低いことも手伝って魅力的なカードだといえます。

楽天プレミアムカード

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国際ブランド

対応電子マネー

  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • 家族カード
  • 分割払い
  • ETC
年会費 ポイント還元率 ポイント名
初年度 2年目~
10,000円(税別) 10,000円(税別) 1%~15% 楽天スーパーポイント
発行スピード 限度額 マイレージ
還元率(最大)
ETC年会費
7営業日程度 300万円 無料

まとめ

法人カードに貯まるポイントは会社の資産であることがおわかりいただけたでしょうか。カードのポイントサービスについては社会の仕組みに制度が追いついていない状況で、まだまだ関連する法令などから扱いを解釈しなければならないグレーな存在ではあります。

ケースバイケースで考えるケースもあり、無用なトラブルを避けるためにも社内で厳格なルールを定めることが必要だといえそうです。

ポイントは上手に活用すれば法人にとってもメリットは大きいものです。おすすめする3枚のカードも参考にして、あなたのビジネスに役立ててみてください。

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