法人用ETCカードの2つの種類とは?最低限押さえたい基礎知識と4つのメリットについて

法人用ETCカードの2つの種類とは?最低限押さえたい基礎知識と4つのメリットについて

法人用ETCカードに興味はあっても、

「実際にどんなカードなのか何も知らない」

「会社にとって本当に必要なのか判断がつかない」

という方は意外に多いのではないでしょうか。

この記事では、自分や社員用に初めて法人用ETCカードを作ろうと考えている経営者や個人事業主の方のために、保有するメリットやカードの種類などの基礎知識を解説します。最低限知っておきたい基本情報ばかりなので、法人用ETCカードの必要性や自社に合うカードの種類について検討しやすくなるはずです。

最後までひと通りチェックして、法人用ETCカードの基本的な特徴を把握しましょう。

そもそも、法人用ETCカードとはどんなカード?

ETC専用ゲート

法人用ETCカードは、営業や配達、出張など仕事で車を利用することが多い会社や個人事業主に便利なカードです。詳細の前に、まずは法人用ETCカードの基本的な概要から押さえていきましょう。

個人用ETCカードと基本機能は同じ

ETCカードには個人用の一般ETCカードもありますが、基本的な機能に違いはありません。

ETCカードの基本機能は、専用のETC車載器にカードを挿入して有料道路の料金所での支払いにETC利用するというもので、法人用ETCカードも個人用ETCカードも使い方自体は同じです。

ではなぜ、法人用ETCカードが存在するかというと、法人や個人事業主にとって経費精算やコスト管理など基本機能以外のところで色々なメリットが得られるからです。メリットについては後ほど詳しくご説明します。

クレジット機能あり・なしの2タイプ

法人用ETCカードには、大きく分けるとクレジット機能が付いているタイプと付いていないタイプの2種類があります。

クレジット機能が付いているタイプは、法人用クレジットカードの追加カードとして入手することができます。そのため、クレジット機能付きの法人用ETCカードが欲しい場合は、まず法人用クレカに入会する必要があります。ほとんどの法人用クレカはETCカードの追加が可能なので、すでに法人用クレカを持っている方はそのカードで追加発行するのが手っ取り早いかもしれません。

クレジット機能が付いていないタイプには、協同組合が発行する「法人ETCカード」と高速道路会社が発行する「ETCコーポレートカード」があります。

カードごとに特徴や使い勝手が異なるので、後述する詳細で比較してください。

ここまで、法人用ETCカードの基本的な概要をチェックしました。次章では、法人用ETCカードによって得られるメリットを4つご紹介します。

法人用ETCカードを使う4つのメリット

話し合う男女社員

法人用ETCカードを利用すると、以下のような4つのメリットが期待できます。

  •  料金所をスムーズに通過できる
  •  割引・マイレージサービスでコストが削減できる
  •  経費管理がラクになる
  •  社員の利用状況を把握しやすい

それぞれの具体的な内容を確認していきましょう。

クレジットカード専門家 菊地崇仁 解説
個人事業主で社用車が1台という場合は、それほどETCカードでこだわる必要がありませんが、複数の社用車がある場合は複数のETCカードを発行できる法人カードを選ぶようにしましょう。
複数のETCカードが必要な場合は、ガソリンも多く利用する可能性が高いのではないでしょうか。ガソリンを会員価格で給油できる法人カードも存在します。例えば、ENEOS等で優遇されるシナジーJCB法人カード、昭和シェル石油で優遇のあるシェルビジネスカード、コスモ石油で優遇のあるコスモ コーポレートカードなどがあり、これらはJCBのETCカード「ETCスルーカードN」の対象となります。
ETCスルーカードNは、法人カード向けのETCカードとなり、クレジットカードの発行枚数とは関係なく、複数枚のETC専用カードを発行することができます。
さらに、ETCスルーカードNの年会費は無料ですので、社用車が多い場合はガソリン優遇+ETCカードの複数発行可能なカードを検討してみてください。

料金所をスムーズに通過できる

法人用ETCカードを利用すれば、料金所をスムーズに通過できるようになるため時間の節約につながります。

現金やクレジットカードを係員に手渡しして支払う料金所は精算に時間がかかるので、時期やエリアによってはかなり渋滞することがあります。その点、ETCカードを導入すれば料金所で停車する必要はありませんし、1台あたりほんの数秒で通過可能です。ETC専用レーンが混雑することはあまりないので、ストレスも軽減できるでしょう。

1回あたり数分の違いかもしれませんが、車を利用する機会が多ければ、積算するとかなりの違いになることが予想されます。

割引・マイレージサービスでコストが削減できる

法人用ETCカードを導入すると、ETC割引サービスやETCマイレージサービスを利用できるようになるためコストが削減できます。

ETC割引サービスには、「深夜割引」や「休日割引」などがあります。深夜割引は全車種が対象で、NEXCO東日本/中日本/西日本の3社が管理する高速道路などのETCゲートを深夜0〜4時に通行すると高速料金が30%割引になります。

休日割引」は普通車と二輪車を含む軽自動車等が対象で、割引になるのはNEXCO3社が管理する地方部の高速道路です。大型車や東京・大阪近郊の区間は対象外ですが、土日祝日および1月2日・3日に利用すると高速料金が30%割引になります。

また、ETCマイレージサービスに登録すると利用料金に応じたマイレージポイントを貯めることができ、通行料金に還元させることが可能です。

こうしたお得な制度はETCカードを保有していなければ利用できないので、大きなメリットといえるでしょう。

経費管理がラクになる

法人がETCカードを使うようになれば、経費管理の手間や時間を省けるようになります。

ETCカードを使わずに手渡しで支払う場合、ドライバーが一旦高速料金を建て替えることになるため、あとで精算業務が発生します。でも、ETCカードであれば法人名義の口座から直接引き落とされるため、経費精算などの事務負担の軽減につながります。

社用車が多く有料道路を利用する機会も多ければ、その数だけ精算処理を要することになるため、法人用ETCカードを導入すればかなりの負担軽減になるでしょう。

社員の利用状況を把握しやすい

社員の有料道路の利用状況を把握しやすいという点も、法人用ETCカードの利点です。

ETCカードを利用すると、利用日時・区間・料金のデータが残り、利用明細などでチェックすることができます。目的地や日時などを照らし合わせれば、業務のために適正に利用しているかどうかも確認できるため、プライベートに使ってしまうなどの不正使用を防ぐことができます。

現金の建て替え払いは経費精算の手間がかかるだけではなく、領収書の紛失や精算ミスが起こりやすいですし、詳しい利用状況もつかみにくいです。その点、ETCカードなら利用状況のデータを一括管理できるため、交通費精算の透明性が高まります。

この章では、法人用ETCカードを導入すると交通費や経費管理の労力の削減につながるといったメリットがあることをご説明しました。次の章では、法人用クレジットカードに付帯するETCカードについて詳しくみていきましょう。

法人用クレジットカードに追加するのがお得でおすすめ

窓際で外を見る男性

法人用ETCカードにはクレジット機能あり・なしの2タイプあるとお伝えしましたが、法人用クレカに追加するタイプはお得感がありおすすめです。その主な理由は以下の3点です。

  •  年会費が無料の場合が多い
  •  親カード1枚につきETCカードを複数枚発行できる場合がある
  •  クレジットカードのポイントを貯めることが可能

また、気をつけるべき点としてはクレカの入会審査があります。それぞれの内容を確認していきましょう。

年会費無料の場合が多い

ほとんどの法人用クレカにはETCカードを追加できますが、ETCカードは年会費無料で利用できる場合が多いです。

中には年会費がかかる場合もありますが、1枚当たり500円程度に抑えられています。また、初年度のみ年会費無料となっていても、2年目以降は1回でもETCカードを利用すれば無料になる場合が多いため、クリアしやすい条件ではないでしょうか。

年会費だけではなく発行手数料も無料の場合が多いので、法人用クレカを持っていればほとんどコストをかけずにETCカードを入手・利用することができるのです。

なお、親カードである法人用クレカの手数料は、無料のものから10万円以上かかるものまであるので、予算に合うカードを選びましょう。

親カード1枚で複数枚発行できるETCカードもある

法人用クレカの場合、親カード1枚につきETCカードを複数枚発行できるものもあります。

通常、クレジットカードに付帯させられる枚数は親カード1枚につきETCカード1枚です。そのため、複数の社員に使わせたい場合は、親カードの追加カードを作成してETCカードを付帯させるか、必要な枚数分の親カードを作成しなければならず非効率です。

でも、以下のような法人クレカは1枚に複数枚のETCカードを付帯させることが可能です。

発行可能枚数はカードによって異なり、公式サイトのカード紹介ページなどに記載されているため確認しておきましょう。

例えば、親カード1枚で社用車5台分のETCカードを賄いたいのに、発行可能枚数が3枚だと足りません。そのため効率を考えるなら、ETCカードの発行可能枚数が社内の必要枚数以上のクレカを選ぶことが大切です。

ポイントが貯められる

法人用クレカのうれしいメリットのひとつが、ETCカードの利用分をクレカのポイントに加算できるという点です。クレジットカードのポイントを貯めると、さまざまな商品・ギフト券との交換や、飛行機のマイルに移行することが可能なので、業務に有効活用すればコスト削減にも役立ちます。

仕事で頻繁に有料道路を利用する場合、クレカのポイントもどんどん貯まることになるため、有料道路の利用頻度が多い会社であればポイントを効率的に貯められてお得です。

ただ、法人用クレカの中にはもともとポイントサービス自体がないものもあるので、ポイントサービスの有無はあらかじめ確認しておきましょう。

クレジットカードの入会審査を通る必要がある

法人用クレカにETCカードを付帯するメリットは魅力的ですが、一方で気をつけておきたいのはクレカには入会審査があるという点です。

法人用ETCカードを取得するには、まず法人用クレカの審査に通過する必要があります。具体的な審査方法や基準はカード会社によって異なる上、ほとんどの場合公表されていないため、審査に通過するかどうかは申し込んでみないとわかりません。

カード会社によっては設立年数や収益の状況をチェックするところもあるようなので、起業したばかりの会社や赤字続きだと入会できない可能性も。ただ、中には審査のハードルがあまり高くなく、設立1年未満の会社や個人事業主でも入会可能な法人クレカもあります。審査が心配な方は、比較的入会しやすいカードを口コミ情報などで調べておくと良いかもしれません。

基本的に法人用ETCカード単体の詳しい審査はないため、法人用クレカの審査に通過すれば、同時に申し込んでおいたETCカードも取得できます。先に法人用クレカを取得していて、あとからETCカードを追加する場合でも、クレカの利用状況に問題がなければスムーズに発行してもらえるでしょう。

ETCカードを付帯するなら「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」

法人用ETCカードを付帯するのにおすすめなのは、「アメックス」の通称で知られるアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードです。

アメックスの法人カードは、親カード1枚につきETCカードを5枚まで手数料無料で発行することができます。法人用ETCカードの年会費は1枚あたり500円(税別)かかりますが、ETCカードで以下の2種類のポイントを貯めることができるのでむしろお得です。

  •  通行料金の支払いに還元できる「ETCマイレージポイント」
  •  アメックス会員限定「メンバーシップ・リワード」のポイント

ETCカードの利用金額分を、ETCマイレージポイントだけではなくアメックス会員専用のポイントプログラムにも加算できるので、ポイントの二重取りができるのです。メンバーシップ・リワードのポイントは100円につき1ポイントなので、有料道路の利用頻度が高ければどんどん貯められるでしょう。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

国際ブランド

アメリカン・エキスプレス

対応電子マネー

QUICPay(クイックペイ)
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETC
年会費 ポイント還元率 ポイント名
初年度 2年目~
無料 12,000円(税別) 0.3~1.0% メンバーシップリワード
発行スピード 限度額 マイレージ
還元率(最大)
ETC年会費
2~3週間程度 審査基準による 500円(税別)


この章では、法人用クレカに付帯するETCカードの特徴をお伝えしました。最後の章では、クレジット機能が付いていないETCカードについて解説します。

クレジット機能なしのETCカード

高速道路

クレジット機能が不要な場合は、以下にご説明する「法人ETCカード」または「ETCコーポレートカード」から選びましょう。

法人ETCカード

法人ETCカードは高速情報協同組合やETC協同組合が発行しているETC専用のカードで、クレジット機能が付いていません。

入会時に出資金として1万円を支払う必要がありますが、退会時に返金されるので損失にはなりません。発行手数料と、年会費にあたる取扱手数料は高速情報協同組合ETC協同組合によって異なりますので予めご確認ください。

法人ETCカードは基本的にETCマイレージサービスのポイントを貯められるので、有料道路の利用頻度が高ければ効率的に貯められます。ただ、登録や管理などの代行手数料として毎月の走行金額の8%分を支払う必要があります。

とはいえ、当然ながらクレジット審査がなく入会のハードルは低いため、設立したばかりの法人や個人事業主でも取得しやすいでしょう。

ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードもクレジット機能が付いておらず、発行元はNEXCO東日本/中日本/西日本の各高速道路会社です。発行手数料と年会費はいずれも1枚571円(税別)となっています。

ETCコーポレートカードはETCマイレージサービスの利用はできませんが、「大口・多頻度割引制度」という特有のサービスがあります。対象区間は首都高速道路と阪神高速道路で、車両1台につき月5,000円を超えると利用料金に応じて10〜30%程度の割引が適用されるという制度です。そのため、運送業など車の台数も有料道路の利用頻度も多い業種に適しています。

なお、ETCコーポレートカードに申し込むには法人登記簿や印鑑証明、自動車検査証の写しなどさまざまな書類を提出する必要があり、手続きがやや煩雑なのでスピーディな発行は望めません

法人向けETCカードの作り方

上記の内容から、法人用ETCカードを作成したいと思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、法人向けのETCカードを作成するために必要な方法を3つ紹介します。

クレジット機能ありのETCカード

事業の実績を示すことができる場合は、クレジット機能ありのETCカードを作成する方法がおすすめです。

手続きは簡単で、クレジットカード会社に所定の資料を添えて申し込むだけです。審査が通過するとカードが送られてきます。

クレジット機能なしのETCカード

高速道路共同組合が発行している法人向けETCカードは、クレジット機能なしでETC割引が受けられるカードです。最大4枚まで発行できます。

申込方法は、FAXまたはインターネット経由のみです。高速道路協同組合の公式サイトから申込書をダウンロードし、必要事項を記入してFAXまたは申し込みフォームを送信します。

そして、「ETCカード申請書」が返送されてくるため必要事項を記入し、添付書類とともに返送します。このとき、同時に出資金として1万円の振り込みも必要です。

ETCコーポレートカード(クレジット機能なし)

ETCコーポレートカードは、東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込むか、高速道路協同組合経由で申し込むかの2択です。

  • 東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込む場合…後払い料金を保証するための金額として、1ヵ月の利用金額の4倍もの保証金を積む必要があります。大口・多頻度割引はすべての高速道路・一般有料道路で適用されます。
  • 高速道路協同組合経由で申し込む場合…保証金を入れる必要はなく、出資金の1万円のみ必要です。ただし、大口・多頻度割引は首都高速と阪神高速しか適用されません。

保証金を積む余裕がなく、首都高速と阪神高速の利用頻度が多い場合は高速道路協同組合経由で申し込み、全国の高速道路を利用し、保証金が払える場合は東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込むことをおすすめします。

まとめ

この記事では、法人用ETCカードについて最低限知っておきたい基礎知識をお伝えしてきました。ポイントをおさらいしましょう。

  1.  法人用ETCカードにはクレジット機能あり・なしの2タイプがある
  2.  各種割引サービスやマイレージサービスが利用でき、コスト削減になる
  3.  経費管理の手間を省くことができ、社員の利用状況も把握しやすくなる
  4.  法人用クレカに付帯するタイプには、発行手数料や年会費が無料のものや、通行料金をクレカのポイントに加算できるものがある
  5.  クレジット機能が不要な場合は、協同組合が発行する「法人ETCカード」または高速道路会社が発行する「法人コーポレートカード」がおすすめ

メリットやカードの種類・特徴などの基本をひと通り解説したので、自分の会社に必要かどうかや、自分の会社に適したカードのタイプをイメージしやすくなったのではないでしょうか。

自社に適した法人用ETCカードを選べば、業務の効率性アップやコスト削減に大いに役立ちます。ご紹介した基礎知識を踏まえて、具体的に検討を進めていきましょう。

監修者紹介/クレジットカード専門家 菊地崇仁
監修者 クレジットカード専門家 菊地菊地崇仁

三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。 57枚のクレジットカードを保有し、約120万円の年会費を支払っている。一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

法人カードランキング

目的別

掲載法人カード

人気の記事

新着記事