法人用ETCカードの2つの種類とは?最低限押さえたい基礎知識と4つのメリットについて

仕事上、よく高速道路を利用する企業の方にとって、ETCカードは必須アイテムです。
中でも、企業に導入するなら経費の管理が楽な「法人用ETCカード」がおすすめです。
ただ、法人用ETCカードに興味はあっても、
- 「どんな特徴があるのかよく分からない」
- 「種類が多すぎて、どの法人用ETCカードにすればいいのか選べない」
という方は意外に多いのではないでしょうか。
この記事では、自分や社員用に初めて法人用ETCカードを作ろうと考えている経営者や個人事業主の方のために、
- 法人用ETCカードを保有するメリット
- 法人用ETCカードの種類
などの基礎知識を解説します。
最低限知っておきたい基本情報ばかりなので、法人用ETCカードの必要性や自社に合うカードの種類について検討しやすくなるはずです。
最後までひと通りチェックして、法人用ETCカードの基本的な特徴を把握しましょう。
また、一刻も早くおすすめの法人用ETCカードを知りたい!という方へ、当サイトでは以下のカードをご紹介します。
- 還元率0.3~1.0%
他にも本記事後半にある「親カード1枚で複数枚発行できるETCカードもある」で、おすすめのカードを紹介していますので、合わせてご確認ください。
この記事の目次
仕事で車を使うなら持っておきたい!
法人用ETCカード
法人用ETCカードは、営業や配達、出張など仕事で車を利用することが多い会社や個人事業主に便利なカードです。
詳細の前に、まずは法人用ETCカードの基本的な概要から押さえていきましょう。
個人用ETCカードと基本機能は同じ
ETCカードには個人用の一般ETCカードもありますが、基本的な機能に違いはありません。
ETCカードの基本機能は、専用のETC車載器にカードを挿入して有料道路の料金所での支払いにETC利用するというもので、法人用ETCカードも個人用ETCカードも使い方自体は同じです。
ではなぜ、法人用ETCカードが存在するかというと、法人や個人事業主にとって経費精算やコスト管理が楽になるなど、基本機能以外のところで色々なメリットが得られるからです。
メリットについて先に知りたい方はこちら。
クレジット機能あり・なしの2タイプ
法人用ETCカードには、大きく分けると、
- クレジット機能が付いているタイプ
- クレジット機能が付いていないタイプ
の2種類があります。
クレジット機能が付いているタイプは、法人用クレジットカード(以下、法人用クレカ)の追加カードとして入手することができます。
そのため、クレジット機能付きの法人用ETCカードが欲しい場合は、まず法人用クレカに入会する必要があります。
ほとんどの法人用クレカはETCカードの追加が可能なので、法人カード本体のスペックとの相性でカードを選んでもいいでしょう。
クレジット機能が付いていないタイプには、全国200以上もあるといわれる事業協同組合が発行する「法人ETCカード」と、高速道路会社と事業協同組合経由で発行する「ETCコーポレートカード」があります。
カードごとに特徴や使い勝手が異なるので、後述する詳細で比較してください。
ここまで、法人用ETCカードの基本的な概要をチェックしました。
次章では、法人用ETCカードによって得られるメリットを4つご紹介します。
経費管理が楽!法人用ETCカードを使う4つのメリット
法人用ETCカードを利用すると、以下のような4つのメリットが期待できます。
それぞれの具体的な内容を確認していきましょう。
- クレジットカード専門家 菊地崇仁 解説
- 個人事業主で社用車が1台という場合は、それほどETCカードでこだわる必要がありませんが、複数の社用車がある場合は複数のETCカードを発行できる法人カードを選ぶようにしましょう。
- 複数のETCカードが必要な場合は、ガソリンも多く利用する可能性が高いのではないでしょうか。ガソリンを会員価格で給油できる法人カードも存在します。例えば、ENEOS(エネオス)等で優遇されるシナジーJCB法人カード、昭和シェル石油で優遇のあるシェルビジネスカード、コスモ石油で優遇のあるコスモ コーポレートカードなどがあり、これらはJCBのETCカード「ETCスルーカードN」の対象となります。
- ETCスルーカードNは、法人カード向けのETCカードとなり、クレジットカードの発行枚数とは関係なく、複数枚のETC専用カードを発行することができます。
- さらに、ETCスルーカードNの年会費は無料ですので、社用車が多い場合はガソリン優遇+ETCカードの複数発行可能なカードを検討してみてください。
料金所をスムーズに通過できる
法人用ETCカードを利用すれば、料金所をスムーズに通過できるようになるため時間の節約につながります。
現金やクレジットカードを係員に手渡しして支払う料金所は精算に時間がかかるので、時期やエリアによってはかなり渋滞することがあります。
その点、ETCカードを導入すれば料金所で停車する必要はありませんし、1台あたりほんの数秒で通過可能です。
ETC専用レーンが混雑することはあまりないので、ストレスも軽減できるでしょう。
1回あたり数分の違いかもしれませんが、車を利用する機会が多ければ、積算するとかなりの違いになることが予想されます。
割引・マイレージサービスでコストが削減できる
法人用ETCカードを導入すると、ETC割引サービスやETCマイレージサービスを利用できるようになるためコストが削減できます。
ETC割引サービスには、「深夜割引」や「休日割引」などがあります。
深夜割引は全車種が対象で、NEXCO東日本/中日本/西日本の3社が管理する高速道路などのETCゲートを深夜0〜4時に通行すると高速道路料金が30%割引になります。
「休日割引」は普通車と二輪車を含む軽自動車等が対象で、割引になるのはNEXCO3社が管理する地方部の高速道路です。
大型車や東京・大阪近郊の区間は対象外ですが、土日祝日および1月2日・3日に利用すると高速道路利用料金が30%割引になります。
また、ETCマイレージサービスに登録すると利用料金に応じたマイレージポイントを貯めることができ、通行料金に還元させることが可能です。
こうしたお得な制度はETCカードを保有していなければ利用できないので、大きなメリットといえるでしょう。
経費管理がラクになる
法人が従業員にビジネス用のETCカードを配布することで、経費管理の手間や時間を省けるようになります。
ETCカードを使わずに手渡しで支払う場合、ドライバーが一旦高速料金を建て替えることになるため、あとで精算業務が発生します。
でも、法人用のETCカードであれば法人名義の口座から直接引き落とされるため、他の請求書と混在することなく経費精算などの事務負担の軽減につながります。
事業用車両が多く有料道路を利用する機会も多ければ、その数だけ精算処理を要することになるため、法人用ETCカードを導入すればかなりの経費管理がラクになるでしょう。
さらに、Web上の「ETC利用照会サービス」(※)を利用すれば、下記の確認から保存・印刷(CSV/PDF形式)まですることができより便利になります。
-
法人用クレカの場合:
ETC利用証明書・利用明細は15カ月以内 -
ETCコーポレートカードの場合:
ETC利用証明書は過去62日間
ETC利用証明書走行明細確認は過去124日間以内
【参考】ETCコーポレートカード利用明細書例NEXCO西日本
※事前登録が必要。登録手続きには、メールアドレス、ETCカード番号、登録するETCカードでETC無線通行した利用年月日・車載器管理番号、車両番号下4桁が必要となる。
社員の利用状況を把握しやすい
社員の有料道路の利用状況を把握しやすいという点も、法人用ETCカードの利点です。
ETCカードを利用すると、利用日時・区間・料金のデータが残り、利用明細などでチェックすることができます。
目的地や日時などを照らし合わせれば、業務のために適正に利用しているかどうかも確認できるため、プライベートに使ってしまうなどの不正使用を防ぐことができます。
現金の建て替え払いは経費精算の手間がかかるだけではなく、領収書の紛失や精算ミスが起こりやすいですし、詳しい利用状況もつかみにくいです。
その点、法人用ETCカードなら利用状況のデータを一括管理できるため、交通費精算の透明性が高まります。
この章では、法人用ETCカードを導入すると交通費や経費管理の労力の削減につながるといったメリットがあることをご説明しました。
次の章では、法人用クレジットカードに付帯するETCカードについて詳しくみていきましょう。
法人用クレジットカードに追加するのがお得でおすすめ
法人用ETCカードにはクレジット機能あり・なしの2タイプあるとお伝えしましたが、法人用クレカに追加するタイプはお得感がありおすすめです。
その主な理由は以下の3点です。
また、気をつけるべき点としてはクレカの入会審査があります。
それぞれの内容を確認していきましょう。
年会費無料の場合が多い
ほとんどの法人用クレカにはETCカードを追加できますが、ETCカードは年会費無料で利用できる場合が多いです。
中には年会費がかかる場合もありますが、1枚当たり500円程度に抑えられています。
また、初年度のみ年会費無料となっていても、2年目以降は1回でもETCカードを利用すれば無料になる場合が多いため、クリアしやすい条件ではないでしょうか。
年会費だけではなく発行手数料も無料の場合が多いので、法人用クレカを持っていればほとんどコストをかけずにETCカードを入手・利用することができるのです。
なお、親カードである法人用クレカの手数料は、無料のものから10万円以上かかるものまであるので、予算に合うカードを選びましょう。
ポイントが貯められる
法人用クレカのうれしいメリットのひとつが、ETCカードの利用分をクレカのポイントに加算できるという点です。
クレジットカードのポイントを貯めると、さまざまな商品・ギフト券との交換や、飛行機のマイルに移行することが可能なので、業務に有効活用すればコスト削減にも役立ちます。
仕事で頻繁に有料道路を利用する場合、クレカのポイントもどんどん貯まることになるため、有料道路の利用頻度が多い会社であればポイントを効率的に貯められてお得です。
ただ、法人用クレカの中にはもともとポイントサービス自体がないものもあるので、ポイントサービスの有無はあらかじめ確認しておきましょう。
親カード1枚で複数枚発行できるETCカードもある
法人用クレカの場合、親カード1枚につきETCカードを複数枚発行できるものもあります。
通常、クレジットカードに付帯させられる枚数は親カード1枚につきETCカード1枚です。
そのため、複数の社員に使わせたい場合は、親カードの追加カードを作成してETCカードを付帯させるか、必要な枚数分の親カードを作成しなければならず非効率です。
発行可能枚数はカードによって異なり、公式サイトのカード紹介ページなどに記載されているため確認しておきましょう。
例えば、親カード1枚で社用車5台分のETCカードを賄いたいのに、発行可能枚数が3枚だと足りません。
そのため効率を考えるなら、ETCカードの発行可能枚数が社内の必要枚数以上のクレカを選ぶことが大切です。
ETCカードが複数枚発行できるものをはじめ、ランニングコスト(ETCカードと法人用クレカ自体の年会費等)などで比較的所有しやすいカードを下記一覧表にしてみました。
各法人用クレカの詳細記事もリンクしていますので、ビジネスサポート等の付帯サービスもあわせて確認してみてください。
カード本体の年会費 (税込) |
ETCカード 発行枚数 |
ETCカード年会費 (税込) |
|
---|---|---|---|
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード | 13,200円 | 5枚まで | 550円/枚 |
JCB法人カード | 1,375円 | 枚数制限無し (審査あり) |
無料 |
三井住友ビジネスカード for Owners | 1,375円 | 1枚 | 初年度無料 2年目以降550円/枚(※2) |
ダイナースクラブビジネスカード | 29,700円 | 5枚まで | 初年度無料 |
楽天ビジネスカード(※1) | 13,200円 | 枚数制限無し | 1枚目は無料、 2枚目以降は550円/枚 |
オリコ EX Gold for Biz M (法人代表者用) |
2,200円 | 1枚 | 3枚 (※3) |
UC法人カード | 1,375円 | 複数枚発行可能 | 無料 |
※1 楽天ビジネスカードは、個人用「楽天プレミアムカード(11,000円〈税込〉)」+「楽天ビジネスカード(2,200円〈税込〉)」の2枚セットで保有する必要がある
※2 1回以上の利用で翌年度以降無料
※3 追加カードは3枚発行追加することができ、カード1枚にETCカード1枚の発行が可能(年会費無料) 。
ただし、個人事業者用カードの場合は追加カード発行は不可
発行可能枚数はカードによって異なり、公式サイトのカード紹介ページなどに記載されているため確認しておきましょう。
例えば、親カード1枚で社用車5台分のETCカードを賄いたいのに、発行可能枚数が3枚だと足りません。
そのため効率を考えるなら、ETCカードの発行可能枚数が社内の必要枚数以上のクレカを選ぶことが大切です。
クレジットカードの入会審査を通る必要がある
法人用クレカにETCカードを付帯するメリットは魅力的ですが、一方で気をつけておきたいのはクレカには入会審査があるという点です。
法人用ETCカードを取得するには、まず法人用クレカの審査に通過する必要があります。
具体的な審査方法や基準はカード会社によって異なる上、ほとんどの場合公表されていないため、審査に通過するかどうかは申し込んでみないとわかりません。
カード会社によっては設立年数や収益の状況をチェックするところもあるようなので、起業したばかりの会社や赤字続きだと入会できない可能性も。
ただ、中には審査のハードルがあまり高くなく、設立1年未満の会社や個人事業主でも入会可能な法人クレカもあります。
審査が心配な方は、比較的入会しやすいカードを口コミ情報などで調べておくと良いかもしれません。
基本的に法人用ETCカード単体の詳しい審査はないため、法人用クレカの審査に通過すれば、同時に申し込んでおいたETCカードも取得できます。
先に法人用クレカを取得していて、あとからETCカードを追加する場合でも、法人用クレカの利用状況に問題がなければスムーズに発行してもらえるでしょう。
ETCカードの発行枚数・コスト面等が魅力!
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」
法人用ETCカードを付帯するのにおすすめなのは、「アメックス」の通称で知られるアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードです。
アメックスの法人カードは、親カード1枚につきETCカードを5枚まで手数料無料で発行することができます。
法人用ETCカードの年会費は1枚あたり550円(税込)かかりますが、ETCカードで以下の2種類のポイントを貯めることができるのでむしろお得です。
- 通行料金の支払いに還元できる「ETCマイレージポイント」
- アメックス会員限定「メンバーシップ・リワード」のポイント
ETCカードの利用金額分を、ETCマイレージポイントだけではなくアメックス会員専用のポイントプログラムにも加算できるので、ポイントの二重取りができるのです。
メンバーシップ・リワードのポイントは100円につき1ポイント(還元率:1.0%)なので、有料道路の利用頻度が高ければどんどん貯められるでしょう。
また、付帯特典についても、特に出張の多い場合は、「JALオンライン」でいつでもどこでもオンラインで予約・発券ができたり、国内外29カ所の空港ラウンジを利用できたりします。
それに保険サービスも手厚く国内・海外旅行傷害保険が最高5.000万円になるなど、トラベルサービスがかなり充実しています。
この章では、法人用クレカに付帯するETCカードの特徴をお伝えしました。
最後の章では、クレジット機能が付いていないETCカードについて解説します。
クレジット機能なしのETCカード
クレジット機能が不要な場合は、以下にご説明する「法人ETCカード」または「ETCコーポレートカード」から選びましょう。
法人ETCカード
法人ETCカードは高速情報協同組合やETC協同組合などが発行しているETC専用のカードで、クレジット機能が付いていません。
入会時に出資金として1万円を支払う必要がありますが、退会時に返金されるので損失にはなりません。
発行手数料と、年会費にあたる取扱手数料は高速情報協同組合やETC協同組合など全国200以上もあるといわれる事業協同組合にによって異なりますので予めご確認ください。
法人ETCカードは基本的にETCマイレージサービスのポイントを貯められ(※1)、ETC利用規定ポイントにより還元額(無料通行分)と交換することができます。
料金割引対象区間の利用頻度が高ければ効率的に貯められます。
ただ、登録や管理料などの代行手数料として毎月の走行金額の概ね5~8%分(各事業協同組合によって異なる)を支払う必要があります。
とはいえ、当然ながらクレジット審査がなく入会のハードルは低いため、設立したばかりの中小規模企業や個人事業主でも取得しやすいでしょう。
※1道路事業者により還元額に交換できるポイントの単位が異なる。
【参考】ETCマイレージサービス公式サイト
また、ETCカード番号が変更になった場合、変更手続きをしなければ、新しいETCカードのポイントは付かないので注意が必要。(変更手続きはWebサイト上で可能。ETCマイレージサービスログイン画面はこちら)
ETCコーポレートカード
ETCコーポレートカードもクレジット機能が付いておらず、発行元はNEXCO東日本/中日本/西日本の各高速道路会社です。
発行手数料と年会費はいずれも1枚629円(税込)となっています。
ETCコーポレートカードはETCマイレージサービスの利用はできませんが、「大口・多頻度割引制度」という特有のサービスがあります。
割引対象道路は首都高速道路と阪神高速道路で、車両1台につき月5,000円を超えると利用料金に応じて10〜30%程度の割引が適用されるという制度です。
-
車両単位割引:
車両単位で1ヵ月の割引対象一般有料道路(※1)・高速国道のETC利用料金と割引率
5,000円~1万円の場合:10%(20%)(※2)
1万円~3万円の場合 :20%(30%)(※2)
3万円以上の場合 :30%(40%)(※2)
※1 NEXCO東日本/中日本/西日本が管理する一般有料道路のうち、大口・多頻度割引の対象としている道路
※2 ( ):ETC2.0を使用する事業用車両(注)に限り適用される割引率。(令和3年〔2021年〕3月末で)
(注)道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第58条に定める自動車検査証において道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第35条の3第1項第13号について事業用と区別、又は道路運送車両法施行規則第63条の2に定める軽自動車届出済証において事業用と区別されているETC2.0搭載車両。 【参考】東/中/西日本高速道路株式会社「ETCコーポレートカード利用案内書」 |
さらに、契約者単位で1ヵ月の利用額が500万円以上かつ車両単位の平均利用額が3万円を超える場合は、合計利用金額から10%も割引されます。
そのため、運送業など車の台数も有料道路の利用頻度も多い業種の利用者に適しています。
なお、ETCコーポレートカードに申し込むには法人登記簿や印鑑証明、自動車検査証の写しなどさまざまな書類を提出する必要があり、手続きがやや煩雑なのでスピーディな発行は望めません。
法人向けETCカードの作り方
上記の内容から、法人用ETCカードを作成したいと思う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、法人向けのETCカードを作成するために必要な方法を3つ紹介します。
クレジット機能ありのETCカード
事業の実績を示すことができる場合は、クレジット機能ありのETCカードを作成する方法がおすすめです。
手続きは簡単で、信販系や銀行系などのクレジットカード会社に所定の資料を添えて申し込むだけです。
審査が通過するとカードが送られてきます。
クレジット機能なしの法人ETCカード
高速情報協同組合や日本高速情報センター・日本高速道路利用協同組合、ETC共同組合などの事業協同組合が発行している法人向けETCカードは、クレジット機能なしでETC割引が受けられるカードです。
登録車両1台につき最大4枚まで発行できます。
-
申込方法について(高速情報協同組合の場合):
FAXまたはインターネット経由のみ。
高速情報協同組合の公式サイトから組合加入申込書をダウンロードし、
必要事項を記入してFAXまたは申し込みフォームを送信します。
そして、「ETCカード申請書」が返送されてくるため必要事項を記入し、添付書類とともに返送します。
このとき、同時に出資金として1万円(脱退時返金)の振り込みも必要です。
【参考】高速情報協同組合の公式サイト
-
必要書類(ETC共同組合の場合):
●カードを申請する車両の車検証(写し)
●申請車両のETC車載器セットアップ証明書(写し)
●代表者の運転免許証もしくは住民票、健康保険証の写し
●法人・個人事業者別の書類
→(法人の場合)履歴事項全部証明書(発行6カ月以内のもの、写し可)
→(個人事業者の場合)所得税確定申告書(税務署印のあるもの、写し)
【参考】ETC共同組合公式サイト
ETCコーポレートカード(クレジット機能なし)
ETCコーポレートカードは、発行方法が2択あり、(1)東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込むか、(2)事業協同組合経由で申し込むかになります。
-
東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込む場合…
後払い料金を保証するための金額として、1ヵ月の利用金額の4倍もの保証金を積む必要があります。
大口・多頻度割引はETCシステムの利用によるすべての高速国道・一般有料道路で適用されます。 - 事業協同組合経由で申し込む場合…
保証金を入れる必要はなく、出資金の1万円(脱退時返金)のみ必要です。
ただし、大口・多頻度割引は首都高速と阪神高速など利用区間に制限がかかります。
請求書発送日・支払い日等については、申込先により異なるため、そのあたりも参考にするといいでしょう。
保証金を積む余裕がなく、首都高速と阪神高速の利用頻度が多い場合は高速道路協同組合経由で申し込み、全国の高速道路を利用し、保証金が払える場合は東日本/中日本/西日本高速道路株式会社に直接申し込むことをおすすめします。
まとめ
この記事では、法人用ETCカードについて最低限知っておきたい基礎知識をお伝えしてきました。
ポイントをおさらいしましょう。
- 法人用ETCカードにはクレジット機能あり・なしの2タイプがある
- 各種割引サービスやマイレージサービスが利用でき、コスト削減になる
- 経費管理の手間を省くことができ、社員の利用状況も把握しやすくなる
- 法人用クレカに付帯するタイプには、発行手数料や年会費が無料のものや、通行料金をクレカのポイントに加算できるものがある
- クレジット機能が不要な場合は、事業協同組合が発行する「法人ETCカード」または高速道路会社や事業協同組合経由で発行する「法人コーポレートカード」がおすすめ
メリットやカードの種類・特徴などの基本をひと通り解説したので、自分の会社に必要かどうかや、自分の会社に適したカードのタイプをイメージしやすくなったのではないでしょうか。
自社に適した法人用ETCカードを選べば、業務の効率性アップやコスト経費削減に大いに役立ちます。
ご紹介した基礎知識を踏まえて、具体的に検討を進めていきましょう。
- 監修者紹介/クレジットカード専門家 菊地崇仁
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三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。 57枚のクレジットカードを保有し、約120万円の年会費を支払っている。一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。