ブラックリストに載っても法人カードの作成は可能?審査通過の対策とおすすめカード3選

ビジネスに役立つサービスや特典の利用、経費管理の簡略化や透明化を実現するために法人カードを導入しようと考えている方もいるかと思います。
しかし、ビジネスを動かす法人代表者の個人信用情報が薄い状態の場合、「もしかしたら自分はブラックリストに載っているのではないか」「ブラックリストに載っていたらどうしよう」などと考えてしまうのではないでしょうか。
そこで今回は、ブラックリストに載ることによる影響をはじめ、載ってしまう理由や載った場合の対策をまとめています。
これらの内容を把握することで、どんな行動を心がけていけば良いのか、選ぶべき法人カードをわかりやすく解説していきます。
この記事の目次
ブラックリストに載ると法人カードの発行は困難
ブラックリストに載った状態で法人カードに新規申し込みをしても審査通過は極めて困難です。 まず、ブラックリストとは「借金のできない人の名前が書かれたリスト」ではありません。 個人信用情報機関にカード会社や金融機関などで起こした金融トラブルの情報が登録されることを「ブラックリストに載った状態」と表現します。
ブラックリストに載ることで法人カードの審査通過が困難になる理由、載ってしまう対象について以下で紹介していきましょう。
代表者の個人信用情報が重要
法人カード入会時の審査では、会社の財務状況だけでなく「代表者の個人信用情報」も確認の対象です。 どれだけ会社が黒字を維持している状態でも、代表者がブラックリストに載っていれば審査に影響が出る可能性が高まります。
ブラックリストに載る2つの理由
代表者とブラックリストの関係性について説明しましたが、載ってしまう理由は主に2つあります。
- 支払いを長期間延滞
- 債務整理の手続きをした場合
以下で詳しくまとめているのでチェックしていきましょう。
支払いを長期間延滞
ブラックリストに載るもっとも一般的な理由がクレジットカードやローンの支払いを長期間延滞することです。
指定の口座引き落とし日に振替とならなかった場合、最初に入金をお願いする連絡がきます。その後、支払いがなければ利用停止となり、それでも入金のない状態が3ヵ月以上になるとブラックリストに載る可能性が高まるでしょう。
その他に1~2ヵ月の支払い遅延が何度もあることも「信頼を著しく損ねる契約不履行」とされて、ブラックリストに載る場合があります。
債務整理の手続きをした場合
任意整理、民事再生、自己破産・特定調停・個人再生などの法的な手続きを行って借金を減らしたり、帳消しにしたりした場合はブラックリストに載ります。
「過払い金請求を行った際にブラックリストに載る」と思われがちですが、平成22年4月に「契約見直し」の項目が廃止。過払い金請求を行った際にブラックリストに載ることはなくなっています。
奨学金の支払いや携帯電話の分割金も対象
ブラックリストに載るのはクレジットカードやローンだけと思われがちですが、実は奨学金の支払いや携帯電話の分割金も対象です。
奨学金の支払い
奨学金の支払いを滞納することでブラックリストに載ってしまいます。
日本学生支援機構は2008年に「奨学金の返済を原則3ヶ月以上滞納した場合」は全国銀行個人信用情報センターに情報提供する旨を発表。その他にも奨学金の支配を滞納することで年5%の延滞金が発生します。
しかし、失業や病気、災害などを理由に支払いが不可能な場合もあることでしょう。その際は「減額返還制度」と「返還期限猶予制度」の利用が可能です。
携帯電話の分割金
携帯電話の新規契約・機種変更時における端末代金を分割払いにした場合、支払いを滞納すればブラックリストに載ることになります。なぜなら、分割払いはローン契約したのと同じだからです。
近年、端末代金の支払い滞納を理由にブラックリストに載る方は増加しています。経済産業省も「携帯電話の分割払いに注意!」などのお知らせを出していますが、支払いをしないことは回線停止のみで済まないことを覚えておくと良いでしょう。
社員がブラックリストに載っている場合の審査
利用代金が会社名義の口座から引き落とされる法人カードの場合、審査対象は会社の財務状況と代表者なので社員がブラックリストに載っていても影響はありません。ブラックリストに載った社員が法人カードを利用しても、引き落とし先が会社名義の口座であれば当事者と関係なく利用料金を回収できるからです。
この会社名義の口座に紐づけられた法人カードが「会社一括決済方式」という一般的な支払い方法ですが、その他にも社員の個人口座から引き落とされる「個別決済方式」の法人カード」もあります。
個別決済方式は会社一括決済方式ほど一般的ではありませんが、支払いが個人口座になるため社員ごとに審査が必要です。当然ながらブラックリストに載った社員は審査落ちする場合があります。
ブラックリストに載る理由や対象について解説しました。次はブラックリストに情報が載った場合、消えることがあるのかについてまとめています。
一定期間を過ぎればブラックリストから情報が消える
ブラックリストに載っても、個人信用情報機関に登録されたマイナス情報は一定の保有期間が過ぎれば消えます。
しかし、一部例外もあるため以下で詳しく説明していきましょう。
個人信用情報には一定の保有期間がある
個人信用情報機関に登録された情報は以下の保有期間後に消えるため、新規にクレジットカードやローンの審査に通過する可能性が高まります。
- 支払いが予定より数ヵ月遅れた場合:5年間
- 自己破産:5年~10年間
- 任意整理:5年間
- 特定調停:5年間
- 個人再生:5年~10年間
また、この期間内はブラックリストに載った状態なため、新規に借り入れをするのが困難だと思っておけば良いでしょう。
個人信用情報機関に「開示請求」を行うことで状況がわかる
「ブラックリストに登録されているかもしれない」「いつまでブラックリストに載っているのだろう」と不安になった場合、各個人信用情報機関に情報開示の請求を行えば状況がわかります。
パソコンにスマートフォン、郵送に窓口などの指定の方法で申込みと開示が可能で、手数料は方法によって500円もしくは1,000円です。請求手続きは本人以外でもできますが、開示された情報の受け取りは本人のみのため注意してください。
請求の際は、各個人信用情報機関の公式ホームぺージで詳細をチェックしてから手続きを進めましょう。
- 株式会社 シー・アイ・シー(CIC):https://www.cic.co.jp/mydata/
- 株式会社日本信用情報機構:https://www.jicc.co.jp/kaiji/index.html
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC):https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
社内ブラックには保有期間がない
個人信用情報機関に登録された情報は一定の保有期間後に消えますが、これに対して保有期間のない社内ブラックには注意が必要です。
社内ブラックとは、特定のカード会社や金融機関内のみで管理するデータにブラック情報が登録された状態になります。過去に債務整理を行った、長期延滞を起こしたなどの迷惑をかけた会社が対象だと思えば良いでしょう。
その会社のみで管理するデータのため、保有期間などは公表されていません。個人信用情報機関のように具体的に何年という期間が決まっていないため、情報が登録されているうちはブラックになるのです。悪い言い方をすれば、社内ブラックは永久ブラックとも解釈できます。
ブラックリストに載った場合、法人カードの作成ができるかどうかも気になるポイントでしょう。次はブラックリストに載った場合の対策を解説します。
ブラックリストに載った場合の対策3つ
ブラックリストに載っているけれど、情報が消えるのを待たずに法人カードを導入したい場合の対策は以下の3つです。
- 法人デビットカードを作成する
- 審査通過難易度が低めの法人カードに申し込む
- 親族を会社代表にする
具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。
法人デビットカードを作成する
審査を必要としない法人デビッドカードを作成するのも選択肢の一つです。住所があって銀行口座を作成できる状態であれば持つことができます。
デビットカードはクレジットカードのようにカード会社の立て替えがありません。銀行口座直結で決済が行われるため、利用時にリアルタイムで銀行口座引き落としとなります。
クレジットカードは銀行口座の残高関係なしに設定された利用限度額まで使えますが、デビットカードは利用金額が銀行口座残高を上回る場合は決済できません。そのため、使いすぎを防ぐメリットもあります。
審査通過難易度が低めの法人カードに申し込む
過去よりも現在の支払い能力で審査を行う、通過難易度が比較的低めの法人カードに申し込んでみるのも良いでしょう。
この後に詳しくご紹介しますが、審査にスコアリング方式を導入するアメリカン・エキスプレス社発行の法人カードなどが挙げられます。ただし、申し込み時点で他社クレジットカードやローンに延滞・滞納、未払いが残っていないことが大前提です。
なお、審査通過難易度が低め=審査通過が確実ではありません。ある法人カードの審査に落ちて、またすぐに別の法人カードに申し込むことはしないでください。短期間にいくつものクレジットカードやローンに申し込むことで、今度は申し込みブラックという状態になるからです。
申し込みブラックの件数と期間
申し込みブラックは自動審査ではじかれることから、この期間内に新規申し込みが何件あれば審査落ちするという答えがありません。
件数や期間についてはカード会社ごとに設定は異なり、1ヵ月に2件の場合もあれば1件の申し込み履歴で審査落ちとなる場合もあるでしょう。
なお、新規申し込みの情報は6ヵ月で消えますが、一度審査に落ちるとその後発行がスムーズにできない可能性もあります。保険感覚で多くの法人カードに申し込むのでなく、魅力があると感じたカード1枚に絞るようにしてください。
親族を会社代表にする
家族経営の会社の場合、配偶者や両親などの親族を代表にする方法もあります。
前に解説したとおり、法人カードの審査では代表者個人の信用情報を参照するため、代表者がブラックリストに載っていると審査通過の可能性は低いです。
そこで、信用情報に問題のない親族を代表者にして審査通過させれば良いのです。法人カード発行と同時に審査の必要ない追加カードを発行してもらえば問題なく法人カードを持てます。
最後に審査通過難易度が低めのおすすめ法人カード3選をご紹介します。
審査通過難易度が低めのおすすめ法人カード3選
審査にスコアリング方式を導入するなど、一般的に審査通過難易度が低めとされる法人カードを3選でまとめています。
上記3種類のカードの特徴をチェックしておきましょう。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード」は、会社設立後間もない場合や個人事業主の方も審査通過した口コミも多くあります。
審査にスコアリング方式を導入し、現在の支払い能力が重視されるため、現時点で延滞や滞納・未払いがなければ申し込んでみても良いのではないでしょうか。
サービスや特典の充実度も高く、保険の補償内容も手厚いです。海外旅行保険は最高1億円 、国内は最高5,000万円の補償となり、ショッピング補償に紛失、盗難補償も付帯されます。
その他に空港ラウンジの利用に手荷物無料宅配サービス、無料ポーターサービスなどの空港サービス、ゴールドデスクの設置や海外旅行先での日本語サポートなどのビジネスに活用できるサービスもあります。
また、人数、予算に合わせてコンシェルジュが提案、予約してくれる「ビジネス・ダイニング」も利用可能です。
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 34,100円(税込) | 0.3~1.0% | メンバーシップリワード |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) | ETC年会費 |
2~3週間程度 | 審査基準による | 550円(税込) |
- 法人格のある法人代表者向けゴールドカード
- 最高1億円の旅行傷害保険が自動付帯!
- 豊富なプロテクションサービス
- 貯まりやすく使いやすいポイントプログラム
- ビジネス・カード会員様向けイベント
- 今がチャンス!お得な入会特典
- 新規入会後にカード利用で30,000ptプレゼント!
アメリカン・エキスプレス・ビジネスカード
審査通過難易度は比較的低めとされるアメックスの法人カードが良いけれど、ゴールドカードまでは不要という場合、「アメリカン・エキスプレス・ビジネスカード」もおすすめです。
ビジネス・ダイニングやゴールドデスクなどのサービスはありませんが、その分だけ年会費の金額も低いです。その他の基本的なサービスや特典は先に紹介したアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードと大きな違いはありません。
ライフカードビジネスライト(スタンダード)
公式サイトに会社設立・開業すぐでも申し込みが可能で、フリーランスや副業の方におすすめと言及している「ライフカードビジネスライト(スタンダード)」も審査難易度が低めの法人カードです。
審査通過の間口は広いのですが、空港ラウンジの利用に国内・海外旅行傷害保険などは付帯されません。使い勝手の部分では他の法人カードに劣るものの、年会費無料で保有できる点は魅力です。
使用は国内のみで少額の経費支払い目的で利用する方にはちょうど良い1枚でしょう。
まとめ
今回の記事では、ブラックリストに載ることによる法人カードの審査への影響をはじめ、載る理由に載った場合の対策を解説しました。
法人カードでは会社の財務状況以外に代表者の個人信用情報が重要です。クレジットカードやローン支払いの長期延滞、債務整理を行うことでブラックリストに載り、一定の保有期間が過ぎるまで情報は消えません。
自分がブラックリストに載っている・載っているかもしれないと思った場合は、まずは個人信用情報期間に開示請求を行って状況を確認しましょう。そして、個人信用に問題がある場合、法人カードの申し込みは時間を置くのがおすすめです。
あるいは債務整理の手続きは行っておらず、現時点で延滞に滞納、未払いがなければ今回ご紹介したおすすめの法人カードに申し込んでみても良いでしょう。
今回の記事を参考に、ぜひ自身に合った法人カードを導入できるようにしてください。
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クレジットカードに「法人カード」があることは知っているけれど、どのようなものなのか知らないという人も多いのではないでしょうか。法人カードは個人用とは異なり、会社や法人に対して発行されるビジネス用のクレジットカードです。役員や社員などにもそれぞれ1枚ずつ配布することが可能。経費の口座を一本化できるので現金でのやり取りが減り、ミスや複雑な経費処理を削減できるところがメリット。会社としての、作業効率をアップさせてくれます。今回は、そんな法人カードを発行するときの審査基準や審査に必要な書類、そして作成できる法人カードの種類や法人カードを利用するメリットをまとめてご紹介します。法人カードの導入を検討している方や法人カードを利用することでメリットが得たいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。